今回紹介させていただく名言はこちら!
『ハイスコアガール』という漫画/アニメ作品からの言葉です。
言った人
『ハイスコアガール』の主人公である矢口ハルオの母親です。
ハイスコアガールってどんな作品?
『ハイスコアガール』は90年代の格ゲー全盛期が舞台の熱いアーケードゲームアニメ・・・というのが表向きの題材ですが、実は超王道のラブコメ作品です。
ザンギエフ使いの美少女との出会い
主人公である矢口ハルオ(以下ハルオ)は勉強もダメ、スポーツもダメな少年です。そんなハルオがただひとつだけ人よりも得意なことがゲーム、とくに格ゲーでした。
ストーリーはハルオが小学6年生のころ(1991年)から始まります。ちなみに、ハイスコアガールはハルオが高校生になってからしばらく経つまでを描く、結構ロングスパンなお話です。ただ、巻数は全10巻とコンパクトに収まっている名作です。
90年代のゲーセンと言えば、すべての筐体に灰皿が設置されていて、場合によってはヤンキーたちのたまり場になっているような、かなりアングラな印象がある娯楽施設でした。物語の冒頭、小学校6年生のハルオは小遣いをにぎりしめて町のゲーセンに通い詰めています。
かといってハルオはワルとか不良とかではなく、純粋に格ゲーを愛しているだけのただただ正直な少年です。ゲーセンに行く目的も友達とつるみたいとかではなく、純粋に格ゲーがやりたいからです。学校に友達はいますが、ハルオは毎日一人でゲーセンに足を運びます。
そんな、アウトローの吹き溜まりのような当時のゲーセンに、ある一人の少女が現れることで、『ハイスコアガール』という物語は大きく動き出します。
少女の名前は『晶(アキラ)』で、ハルオのクラスメートです。ハルオは特に彼女と親しくないので苗字の『大野』と呼びます。むしろ晶は勉強もスポーツも優秀、黙っていてもクラスメートが集まってくるようなタイプで、さらに家は超がつくほどの大豪邸で誰が見てもお嬢様。と、なにからなにまでハルオとは対照的な存在です。
ハルオは晶にたいして、『ケッ!気にくわねぇやつ!』という感情を抱いていました。
ある日いつも通りハルオがゲーセンで格ゲーをしていたんですが、どうしても勝てない相手に出会います。何度挑んでも勝てず、7連敗・・・。その相手が、クラスメート晶(あきら)でした。
しかもハルオが使用しているのはチート級の高性能を誇るガイル。対して晶が使用するキャラは最低性能クラスのザンギエフ。
結局、どうしても実力ではアキラに勝てないハルオは、最後の最後で禁断の手に出ます。しゃがみ中キックで相手をジャンプさせたところに対空技のサマーソルトキックをかます『待ちガイル』。そして小キックをガードさせた相手の硬直時間を利用した強制投げ。
どちらもゲームバランスが崩壊しかねないのでゲームセンターによっては使用禁止となったり、なっていなかったとしても暗黙の了解で使わないようにしているプレーヤーが多い戦法です。
特にザンギエフは飛び道具がないのでガイルにこれをやられると打つ手がなく勝てなくなってしまいます。もはやこれは格ゲーとは呼べません。
しかしハルオは徹底してこの戦法を貫き、勝ちをもぎ取ります。
「過程や…!方法なぞ…!どうでもよいのだァーッ」
と言わんばかりです。これは違う漫画ですが。笑
晶は作中でほとんどしゃべらない無口キャラなので、こんな卑劣な戦法を使ってくる同級生のハルオに対して、無言で右ストレートを顔面にお見舞いしてきます。
これが『ハイスコアガール』の第一話です。
ここから、中学に進学してからはハルオのことを好きになる小春というこれまた晶とは全然違うタイプの女の子が登場したり。ハルオとアキラと小春の三角関係がいい感じに加速していったりして、ラブコメとしてどんどん面白くなっていきます。しかもキャラクターの成長とともに各年代の格ゲーも出てくるんで、少年のころに格ゲーにハマってた私のような読者は本当に面白く読めるんですよね。
結局ずっと両想いのハルオと晶
格ゲーでの対戦や修学旅行といったような行事イベント・・・時には河原での殴り合いのけんか(!?)といった青春時代を通して、ハルオと晶はつかず離れずの関係を続けていきます。
なんやかんやあって、ハルオは晶のことが好きだということを自覚しますが、成長していくにつれて一般家庭でゲーム漬けの生活を送る自分と、超が付くほどのお嬢様の晶とのあまりの違いに少しずつ後ろめたさを持つようになったりもします。
自分は運動もスポーツもダメ、取り柄と言ったら格ゲーくらい。(とはいえハルオはめちゃくちゃ気持ちいい精神の持ち主なので、それだけでも人間的にかなり魅力的ではあるんですが・・・。格ゲーにめっちゃハマった世界線ののび太だと思ったら結構イメージがあってるかも)
反面、晶は基本的には無口なんで何を考えているかわからず、成績優秀でハルオとは違う進学校の高校に進んでいきます。ちなみにハルオと晶は読者目線からするとどう見ても超両想いなので、「早くくっつけよ・・・!」って思いながら見るタイプのマンガです。笑
実際に作中でハルオ君は,ヒロインの一人である晶(超お嬢様)の家庭教師から「お嬢様の邪魔をする厄介者」と言い放たれてしまいます。
晶は、家の教育方針に疲れて家出してしまったこともあったので、それはハルオからの悪影響であると・・・。実際は、全くと言っていいほど自由な時間がない晶に対するスパルタ教育の、唯一の心の支えがハルオとのゲームの時間だったのですが・・。とにかく晶は超無口なんで、周りは勝手にあれこれといいように解釈してしまうんですよね。
なみえさんは晶の家庭教師がハルオ家にクレームを言いに来た時もバシッと言い返しています。あくまでも家庭教師の苦労に「先生も大変ですよね」と一定の理解を示したうえで・・・大人な対応ですよね。
「ただ・・・私の息子に「厄介者」はあんまりですわ・・・ハルオはなんの手がかりもない状況で晶さんを長時間かけて捜し出したんです。心の底から心配したからこそ出来る行為ですよ。決して下心などで動く人間ではありません」
押しかけてきたお嬢様の家庭教師に屈することなく、己の息子を全肯定。決して感情的にならずにハルオを信じて、ハルオのとった正しい行動をまっすぐ伝えます。
「超お金持ちで超勉強できるお嬢様の家庭教師」に対して「ゲームやってばっかで成績不良の息子の母」という構図ですからね。もし自分がハルオの親だったらと思うと・・・つい口先だけで謝罪の言葉を述べてその場をしのごうとしてしまうかもしれません。
ただ、ハルオの母親はそんな上っ面なコミュニケーションは取りません。自分と自分の息子を心から信じているからこその言葉だと思います。
ハルオがゲームばっかりやっていて成績は不良なのにぐれずに、心根の優しいまっすぐな人間に成長していってるのはこのお母さんあってのことなんだろうなぁという背景が垣間見える名シーンです。
子育てをしていると、
- 「水泳は習わせたい」とか
- 「ピアノは頭の良さにも関係性があるらしい・・・」とか
- 「うちのこは周りの子と比べて遅れてないだろうか・・・」とか
どうしても能力的な部分に目が行ってしまいがちなんですよね。
「為になる経験」を積ませることばっかりにとらわれてしまいます。
それはそれで正しいとは思うのですが、本質的な部分を考えると、やっぱり親の「不安」が根底にあると思うんですよね。
「それくらいはできなきゃ、これから苦労するだろう」という子供へ対する心配・・・
いえ、もっというと「それくらいできるようになってもらわないと、親としての管理能力が低いとみなされてしまう」という、あんまり気づいていないけれども深層心理で感じている不安も要因になっていると思いいます。
たしかにできることは多いほうがいいんですけど、極論を言うとできなきゃいけないってことはないんですよね。
能力とか成績よりも、思いやりがあって、心根が優しい人間になることの方が圧倒的に大事なはずです。
ハルオの母親であるなみえは、ハルオの能力にはあれこれ言いません。しかし心の部分に関しては真正面から誠実な言葉で優しく背中を押します。
ハルオ
「ゲームの筐体の前に2人で座って、晶と感動を分かち合いたい。ゲームをやるただの口実にしか聞こえんかな?」なみえ
「そう聞こえなくもないわね…ただ己の趣味にも真剣になれん奴は、何をやってもダメよ。お母さんはハルオの意思を大いに尊重するわ!自分が正しいと思ったら、それを突き通しなさい!」
『ハイスコアガール』は格ゲー漫画かと思いきや侮ることなかれ!こういった、子育てをしている親としての立場でも心に刺さるシーンがあるような名作漫画なんです。おすすめです!
まとめ
今回紹介させていただいた明言はこちらでした!
『ハイスコアガール』は本当におすすめです!特にいまアラフォーの男性ならドはまりすること間違いなし。是非チェックしてみてください。
関連情報
巻数がそこまで多くないのでサクッと読めます。
アニメ化もしてます。
続編連載中!
お知らせ
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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