シングルタスクとは本当の人生を取り戻すための究極の一点集中術である!
本書のすごいところ
この本のすごいところは、シングルタスクのやり方(テクニック)の紹介だけでなく、なぜシングルタスクが必要なのかを本質的に理解できるよう説明している点にあります。
『知っている』と『理解している』は似ているようで全くちがいます。
人は、テクニックだけ知っていても、それが本当に自分にとって有益だとアタマで理解しないと、行動を変えません。
価値観が変わって初めて行動が変わります。
この本は3部構成になっていて自分の「思考」を変える段階、自分の「行動」を変える段階、「周囲」に影響を与える段階の順に説明されていきます。
とても理になかった構成だと思います。
「行動」は「思考」つまり価値観(マインドセット)が変わることで変化します。
しっかりした「思考」のうえに成り立つ「行動」をともなったうえで初めて「周囲」に影響を与えることができます。
逆に、マルチタスクという幻想を捨ててシングルタスクに集中することの重要性が『理解』できていないと、本書で述べられているシングルタスクを実現するための様々なテクニックを知ることができても、自分の生活に落とし込むことができないはずです。
だから今回は、三部構成の「思考」と「行動」と「周囲」のなかでも、特に「思考」に焦点を当てて解説します!
シングルタスク(一点集中術)とは
シングルタスクとは一度に一つのことだけに集中することを意味します。
マルチタスクの逆です。
一点集中して取り組むことで、没頭状態に入ることができます。
この没頭状態のことを『ゾーンに入る』と言います。
ゾーンに入ることで、自分の能力を最大限に引き出すことができます。
結果として、生産性や効率やパフォーマンスが爆上がりします。
『ゾーン』は『強いエネルギー』と『鋭い集中力』の掛け算で構成されています。
どんなの時に『ゾーン』に入りやすいかはその人の特性によって異なる。絵画や写真などのビジュアルアート、スポーツ、音楽やダンス、読書、ゲームなどの勝負ごとなど様々。たとえば切手収集がゾーンに入る最高のトリガーになる人もいるかもしれない。
本書より引用
マルチタスクなど存在しない
本書では、シングルタスクがいかに重要で、マルチタスクがどれだけ非効率的なのかがとことん掘り下げられています。
テクノロジーの進化によっていつでもどこでも『オンライン』でいられるようになりました。ネット社会は確かに便利です。しかし私たちは、昔と比べて『豊か』になったのでしょうか?
決して豊かになったとは言いきれないと思います。
なぜだかいつも忙しい、常に複数の課題が山積みだ、日々の慌ただしさに追われて本当に大切にしなければいけないことをどこかに置き去りにしているような気がする‥‥。
その原因は全てを同時にこなそうとする『マルチタスク』です!
積極的にマルチタスクを選択しているのではなく、ふりかかり続けるタスクに追い立てられ続けて、受け身でマルチタスクをせざるを得ない状況ではないでしょうか?
シングルタスクは受け身のマルチタスクから脱出できる攻めの戦略です。
何をいってるんだい、やらなきゃいけないことがたくさんあるからこそ、マルチタスクが必要なんじゃないか!
という声が聞こえてきそうです。
一般的には
と考えられています。
確かに、スーツをパリっと着こなして、デスクで受話器を片手にパソコンを操作しながら部下に指示を出しているビジネスマンがいたら、たくさんのことを同時にこなせる有能な人に見えなくもありません。
しかし、実際はこの世に『マルチタスク』なるものは存在しておらず、マルチタスクの正体は高速で集中の対象を切り替えている『タスクスイッチング』なのです!
脳はとても高性能なのでタスクスイッチングにかかる時間は0.1秒未満なのだそうです。高速で集中する対象を切り替えることで、あたかも複数のことを並行してこなしているように見えるだけなんです。
そして、タスクスイッチングをしまくっている本人でさえ『マルチタスクでいろんなことを同時に処理している』と勘違いしているのが現実です。
しかし、集中する対象を切り替えるたびに脳は疲弊していきます。脳が疲弊することで集中力が落ちていってしまいます。
テクノロジーの進化による世界の加速について行く唯一の方法が『シングルタスク=一点集中術』であることを強烈に理解させてくれるのが『シングルタスク・一点集中術』という本なのです。
テクノロジーの進化により、24時間『接続』している文化が成立しています。もはや接続されていることが当たり前です。
テクノロジーを経由して送り込まれてくる「情報」という名のシングルタスクブレイカーに対して『意識的にシャットアウトする』という行為が必要な時代なのです。
補足(並行してできるけどマルチタスクではないこと)
互いに干渉し合わないことなら平行して実行できます。
無意識レベルで実行できることなら可能です。例えば皿洗いと会話などです。
エクササイズしながらテレビを見ることもマルチタスク(タスクスイッチング)には該当しません。
干渉し合う複雑な二つの作業、たとえばメールを書きながら電話対応をするなどのような作業を同時に行おうとすると、脳の中で同じ部位(前頭前野)の取り合いが発生します。
複数の要求にさらされて、それらに優先順位をつけることができないと感じてしまうと、脳は圧倒されて上手く機能しなくなります。
マルチタスクを試みると、情報処理能力を低下させるコルチゾール(別名ストレスホルモン)が分泌されることが原因です。
シングルタスクとは、脳に余分な負荷をかけずに、コルチゾールの発生を極力避けるテクニックとも言えます。
このあたりの話は、本書よりも『スマホ脳』のほうがより詳しく説明しています。
人間の本能と脳の機能についての関係を比較的軽めに読むことができるスマホ脳もあわせてどうぞ!
マルチタスクはモンキーマインド
『モンキーマインド』という言葉を知っていますか?
わたしはこの本を読むまで知りませんでした。
私は、この『モンキーマインド』という言葉を知ることができただけでも、『シングルタスク・一点集中術』を読んで本当によかったと思っています。
モンキーマインドとは仏教徒の教えに由来し、落ち着きがなく、せわしなく、気まぐれでむらがあり、混乱していて、自制のきかない精神状態を指す。
本書より引用
モンキーマインドとは、お猿さんのように常に落ち着きがなく、目の前に突然あらわれる誘惑にすぐ飛びついてしまうような『未熟で本能的な精神状態』とも言えます。
本書では、マルチタスクがまさにこのモンキーマインドと同じである主張しているのです。
どちらのほうが『タスクに対して真剣に取り組んでいる』と言えるでしょうか?
仕事を依頼するとしたらどちらにまかせたいと感じますか?
成果をしっかりあげられるのも、ビジネスパートナーから信頼を得られるのも、モンキーマインドのお猿さんではなく、シングルタスクのプロフェッショナルではないでしょうか?
マルチタスク(タスクスイッチング=モンキーマインド)がどれだけ非効率的で、シングルタスクがどれだけ有益かが分かっていただけたかと思います。
本書の肝となる部分はまさにここだと私は受け取りました。
何があってもマルチタスクを実施しないと決断しよう
本書には『これからはマルチタスクをやめる』と決断させてくれるヒントが至る所にちりばめられています。
『シングルタスクを実施する』というよりは『何があってもマルチタスクを試みない』という心構えが重要になります。
何かを得たいのなら何かを追加するのではなく何を手放すべきかをまず考える必要があります。
マルチタスクの誘惑に負けてしまうのは、たいてい、他者の期待や要求に応じねばならないという欲求に駆られているときです。
仕事ならメールに即返信したり、時間外なのに電話をとったりすること、プライベートなら常にSNSをチェックしたくなるようなことが当てはまります。
しかし、外部からの刺激を処理する責任は、自分自身にあります。ところが大半の人はそれを環境のせいにして自分自身を見つめようとはしません。内面を厳しく見つめるより外部からの刺激に身を任せてしまう方がラクだからです。
やめなければいけないと思っていることを思い切ってやめようとするときに「思考」を飛び越して「行動」から取り組むと失敗する確率が高いです。
私は以前たばこを吸っていてましたがキッパリやめました。もう10年以上は吸っていません。
一度でスパッとやめることができたのではなく、何回か失敗を繰り返したうえで何とかやめることができました。
禁煙の失敗を繰り返した理由は、まさに「思考」を通り越して「行動」から取り組んでいたからです。
タバコをやめようと決意した人は、とりあえずまだ残っているたばこの箱を握りつぶしてごみ箱に捨ててみたりします。
これは、『なぜ禁煙する必要があるのか?』という「思考」の部分を十分に掘り下げずに、『とりあえず手元に残っているまだ吸ってないタバコを箱ごと握りつぶしてゴミ箱に捨てる』という「行動」に飛びついてしまっている状態です。
「脳」はタバコをやめるということに完全に納得していないので、またタバコを吸いはじめてしまう可能性が非常に高いです。
けれど、もし禁煙に対して「思考」の部分を十分に掘り下げたうえで『タバコをやめる』という「行動」に移れば、たとえまだ吸っていないタバコがいつまでも手元にあったとしても禁煙に成功できる可能性は高いです。
これがなにかをやめたり、はじめたりするのに「思考」→「行動」のプロセスが重要な理由です。
余談ですが、なにかをやめるのも始めるのも本質的には同じことです。
どちらも『自分の行動を変えることを選択しているにすぎない』からです。
私の場合は、たばこの健康被害や、購入コストをすべて数値化することで、たばこを吸い続けることのデメリットを脳に『理解』させることができたので、禁煙に成功することができました。
禁煙の体験談について詳細に説明すると長くなり、今回の本筋ではないので、また別の機会に記事にできたらと思います。
禁煙に成功することができたきっかけとなった本だけでも紹介させていただきます。
シングルタスクのテクニック
なぜシングルタスクが重要であるか「思考」の部分をしっかり理解できたのであれば、すんなりとシングルタスクのテクニックを受け入れることができるはずです。
ここから先は、本書の中でも、特に『これは使える!』と思ったテクニックを抜粋して紹介してみたいと思います。
作業環境を整える
デバイスやガジェットをうまく使ってシングルタスクに集中しやすい環境を整えましょう。
たとえばメールやSNSの通知は常にミュートにしましょう。
閲覧したウェブサイトは毎回閉じましょう。
物理的にデスク周りを整理整頓しておくことも好ましいです。
作業環境がちらかっていると集中したくても集中できません。
今すぐに集中したいのに、作業環境が散らかりすぎていて片付けるのに時間がかかってしまう状況だとしたら、自分が別の場所に移動するのも一つの手です。
シングルタスクに必要なものだけを手に持ち、近所の管理の行き届いている公園やスタバなどのような洗練された空間に出かけましょう。
何をすべきか紙に書き出す
個人的な経験からは、紙に書き出すことがとても効果的だと感じています。
仕事であれもこれもしなければという思考に陥っているときは、頭の中だけで考えることをやめて、とりあえず思いつくタスクを全て紙に書き出しましょう。
すると「タスクを思い出し続ける」という負担から脳が解放されて「紙の上に書かれたいくつものタスクに優先順位をつける」段階に移ることができます。
優先順位をつけるまでもなく「いまやらなくてもいいタスク」をいつまでも頭の中で考え続けてしまっていたことに気づくことができることもよくあります。
「いまやるべきこと」と「いまやらなくてもいいこと」を仕分けたら、つぎは「いまやるべきこと」の中から優先順位をつけましょう。
そして一番優先順位の高いタスク『だけに』取り組みましょう。
このテクニックは個人のタスクだけでなく、複数の人がかかわる会議などでも有効です。
会議が白熱すると、本来議論するべき内容とは話がそれていってしまうことがあります。
そんなときには、ホワイトボードなり、ノートなり、パソコンの議事録アプリなりに、どんどんメモを取っていきます。参加者全員が見ることのできる場所に書いていくのが好ましいです。
書き留めることで、逸れた話から本筋に戻ることができます。本書では『パーキングロット(駐車場)』という名称で紹介されていました。
スマホを分離する
スマホと書きましたが、タブレットやパソコンを含むデバイス全部のことですね。
スマホ(のアプリケーション)は承認欲求を刺激する誘惑を提供し続けることで、ユーザーを依存させるようにデザインされています。
これは、集中力を分断させ続けてシングルタスクをできないように仕向けられていることと同意です。
スマホは便利ですが、使えば使うほどスマホに依存するように仕組まれています。
スマホの通知は基本的にオフにしておく。1日の中でスマホをチェックするタイミングを決める。
スマホを特定の場所に持ち込まない(寝室)など、マイルールをきめてスマホとの適切な距離を保ちましょう。
デバイスの電源をオフにしても、手に届くところにあると簡単に電源をオンにすることができてしまいます。さらに効果的なのは、デジタル機器を持たずに出かけてしまうことです。
仮に、シングルタスクによって『読書』に一点集中したいのなら、本だけ持ってカフェでも公園でも出かければいいのです。
何かトラブルがあったときにあなたに緊急の連絡をする必要のある人には、行き先を伝えておけばそれで充分です。
スマホとの適切な距離感についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ『スマホ脳』を手に取って読んでください。
断るべきことはしっかり断る
すべての質問や問い合わせに、即座に応じる必要はありません。
冷静に考えるとそもそもそんなことは不可能です。
四六時中、人の頼み事にイエスと応じていたら、自分の仕事など決してできるはずがありません。
いつ、きちんと対応できるかを伝えることで相手の「期待」をコントロールしましょう。
いますぐに対応できない理由を、相手に対する『敬意』をもって説明し、いつ対応できるか明確な『予定』を伝えれば相手は納得してくれるはずです。
肝心なのは即座に「反応」することではなく相手の「期待」を裏切らない「誠実さ」と「対応の質」です。
もしも相手の要求と自分のタスクが重複しているのに、それでも要求を優先しろと言われたらどうしたらいいのでしょうか?
そんな時は情報を明確かつ、具体的に説明したうえで、どうすれば良いかアドバイスを求めればOKです。
相手に判断させることもテクニックのひとつです。
SNSや電話の相手より「目の前にいる相手」を常に優先する
スマホやパソコンのメールやアプリの通知に日々さらされていると、目の前にいる人をないがしろにしてしまいがちになってしまいます。
目の前に相手がいて、今まさに話しているのに、電話が鳴ったら即対応して、アプリの通知が来たらついつい開いてしまったりします。
冷静に考えると、目の前の相手に対してとても失礼な行動ではないでしょうか。
誰かと一緒にいる時に、ソーシャルメディアで他の人と交流したりと、デバイスから得られる情報に気を取られていると、目の前の相手に「あなたのことなど、どうでもいいと思っている」というメッセージを無言のうちに送ることになってしまいますよ。
あなたがシングルタスクにより作業に集中している時に、誰かがどうでもよい雑談をしかけてきたとします。
その時は、『いまは重要な案件に取り組んでいる』ということを丁寧に伝えて、雑談に参加することをしっかりと丁寧に断りましょう。
話し相手のほうを向く。顔だけでなく腹を向ける。もちろんパソコンのタイピングやスマホ操作などはしない。本書では、たった5分でもよそ見をせず、話に集中してくれるほうが、長時間、他の作業をしながら話を聞かれるよりもよほどいいことが実例とともに紹介されています。
本書ではhear(聞く)と listen(聴く) の違いが紹介されています。
マルチタスクをしながら誰かの話を聞く (hear)のは、相手の言葉が音声として聞こえているだけです。人の話はしっかりと 聴いて (listen)理解しましょう。
ジョジョの奇妙な冒険第4部のシアーハートアタック戦で、丈太郎が康一くんに対して同じような説明をしています。
※ジョジョの奇妙な冒険第4部38巻シアーハートアタック その②より
日記や瞑想(マインドフルネス)
シングルタスクのトレーニングとして、日記や瞑想がオススメです。
自身の内面を見つめてシンプルに物事を考える練習になります。
私も毎朝マインドフルネスを実施しています。
やってみるとわかるのですが、脳は普段から『考えるべきこと』よりも『考えたいこと』を優先していることに気づくことができます。
アタマの中では、特に注意していないといくつもの考えが浮かんでは消えていき、それらに自分にとっての重要性や緊急性は深く関係していないように思えます。
マインドフルネスや日記は自身の内面に集中するためのメソッドです。
『考えたいこと』つまり反射的に思い浮かぶことに深くとらわれず、自分を客観視することで情報にすぐさま反応してしまうクセを見つめなおすトレーニングとも言えます。
最強のメソッド
どうしても取り組まなきゃいけないんだけど、考えるだけでうんざりしてしまう。
なかなか着手する気になれない。
そんな用事は朝イチで片付けてしまいましょう。
脳は瞬間が一番元気です。
起きている時間が長くなれば長くなるだけ判断する回数が増えるので脳は疲弊していきます。
重要な案件はなるべく朝はやい段階の、脳がフレッシュな時間帯に片付けてしまいましょう。
タイムシフトでしっかり休憩しよう
計画的かつ定期的に休憩を取りましょう。
タイムシフトとは、生産性の高い時間とリラックスする時間を交互に持つという手法です。
要は疲れ切ってしまう前に休憩をとりましょうという話です。
エネルギーが空になるまで使い切ってしまってから回復させようとすると、集中的な休養が必要になります。
スマホやパソコンだって充電がゼロになるまで使い切ってしまうと、強制的にシャットダウンしてしまいます。
再充電してもある程度エネルギーが蓄積されるまで再起動することができません。
人間にだって同じことが起こります。
眠い目をこすりながら生産性の低い作業を細々と続けるよりは短時間でもいいからしっかり休憩をとって、シャキッとした意識で集中して一つのタスクに取り組んだほうが効率的です。
強制的にゾーンに入るには
強制的に『ゾーンに入る』つまり『没頭』せざるを得ない行為をすることもシングルタスク力を磨くうえで効果的です。
著者は週に1回近所のジムにでかけてエアロビクスのレッスンを受けているらしいです。
エアロビクスのレッスン中にスマホやパソコンをいじっている暇はありません。
レッスンに全力で集中しないとすぐについていけなくなるので強制的にシングルタスクを実行してゾーンに入れるとのことです。
私の場合は水泳か自転車をオススメしたいです。
どちらも私の趣味なのですが、水泳も自転車も、一定の動作を繰り返す運動であり取り組んでいる最中はスマホなどのデバイスを触ることができないことがシングルタスクと相性抜群だと思います。
特にオススメしたいのがロードバイク(競技用自転車)でのヒルクライミングです。
平坦な道ならまだ余裕があるが、上り坂となると本気でペダルを踏まないと坂を登れません。
程よい心拍数の上昇と一定のペダリングによる積極的な瞑想(マインドフルネス)状態は『いま、この瞬間に没頭すること』に他なりません。
私は、自分の性格が内向的であることを十分に理解していて納得もしています。
だからこそひとりでできて、かつ一定のペースで体を動かす水泳や自転車のようなスポーツが好きで人にもよく勧めています。
シングルタスクと信頼関係について
✖ シングルタスクは職場で実施することだ
〇 シングルタスクは生活のあらゆる場面で実施することだ
シングルタスクの本質はテクニックではなくマインドセットです。
職場での生産性を最大化するためだけのメソッドではありません。
シングルタスクは、職場だけでなく、家庭だけでなく、いつどこでだって実践する価値があります。
「いま、この瞬間」に集中するためのテクニックではなく、「いま、この瞬間」を何よりも最優先する生き方を選ぶという価値観を尊重する心構え(マインドセット)とも言えます。
職場での生産性や効率を高めるためだけではなく、あなたの本当の人生を取り戻すために、生活のあらゆる場面でシングルタスクを実施することをお勧めします。
シングルタスク度自己評価テスト
この本には、自分がどれだけシングルタスクを使えているか点数で評価できる簡単なテストが2回登場します。テストと書かれていますが、チェックリストと呼ぶほうが適切かもしれません。1
第二章60ページで登場するのが、「職場でのシングルタスク度」です。
20問の各質問に対して、0から5点をつけていき合計点が引くければ低いほどシングルタスク度が高いという内容です。
たとえば、『同僚や、仲間と一緒にいるときにも、スタートファンをいじりますか?』0点=まったくない、1点=ごくたまに(年に1〜4)‥‥5点まで段階あり。
といった具合のテストです。
第七章179ページでは「オフの時間のシングルタスク度」テストです。
こちらは10問で各質問に0〜3点をつけていき、合計点が低いほど「オフの時のシングルタスク度」が高いという内容です。
こちらのテストは、名前の通りオフの時間に関するテストです。
質問の内容は例えば、『家族があなたの話をしているのに、ちゃんと聞いていなかったせいで、相手を怒らせることがありますか?』と言ったような、自分がというよりは周りの大切なあなたに対して人がどういう反応を示しているかといった内容も含まれます。
テストによってシングルタスク度(マルチタスク依存度)がバッチリ数値化されるのでとても便利です。
自分のシングルタスク度が高ければ、さらに高めるにはどうしたら良いか明確に分かりますし、点数を下げないたに気をつけるべき項目も把握できます。
何をするにもまずは目標と自分の位置をしっかり把握することはとても大事です。
本書を読むにあたって、まずはこの2つのテストをやって、自分のシングルタスク度を数値で把握してから、最初に戻って読み進めるのもアリですね。
それでもマルチタスクを続けますか?
一度に複数の作業を並行して実施するようなマルチタスク(タスクスイッチング)をしてまでも成し遂げたいことはなんなのでしょうか。
目の前にいるかけがえのない人とのかけがえのない時間を過ごすために、生産性を向上させるためのマルチタスクではなかったのでしょうか。
しかし、マルチタスクなど本当は存在せず、人生を取り戻すための唯一の方法はシングルタスクだということを理解していただけたかと思います。
シングルタスクに立ち返ることができる究極の自問自答は
『自分はいま、本当は何をするべきなのか?』
です。
自分でやると決めたことをやり抜く。
あらゆる形で押し寄せる情報という刺激に『反応』するのではなく、いま、本当にすべきことを『判断』する。
もっとも大切なことは何かを決めて、責任をもってやり遂げる。決断することです。
『状況をコントロールする責任はつねに自分にある』という基本的な考え方を常に忘れないことです。
この記事を読み終えたことで、シングルタスクの重要性をしっかり「理解」して「行動」に移す準備ができているはずです。
マルチタスクを捨てて、全てにシングルタスクを取り入れることで、人生を取り戻すかどうかを決断するかどうかは、あなた次第です。
もっと詳しく『シングルタスク・一点集中術』を知りたい!と思った方はぜひ本書を手に取って読んでみてください。
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