私は以前たばこを吸っていてましたがキッパリやめました。
もう10年以上は吸っていません。
今回の記事で解説するのは『笑って禁煙できる本』です。
いきなりですがこの本のキモは禁煙に成功することではなくノンスモーカーに戻ることです。
いやいや、タイトルに『禁煙できる』って書いてあるじゃん。
と思うかもしれませんが、禁煙というワードをすっ飛ばしていきなりノンスモーカーに戻りましょうとか言われてもピンとこないと思います。だからあえてタイトルには禁煙というワードを使っているのでしょう。
この本を手に取ったのは10年以上前になります。
実は私は一時期社会からはみ出てバイクで日本を一周していたのですが、その時に立ち寄ったブックオフで中古本として売られていたこの本を見つけました。
当時はタバコを吸っていて、何回か禁煙を試みたあとでした。
しかし禁煙には成功せずに、だらだらとたばこを吸う習慣を続けてしまっていました。
この本を見つけた時に、特に迷いもせず買うことを決めたことを覚えています。
『笑って禁煙できる本』を読み進めると、衝撃の内容ばかりでした。
なぜなら私は「どのように」禁煙するのかというテクニック本だと思って読み進めていたのに、本の内容の大半が「なぜ」禁煙ができないのかという『考え方』の説明に大半のページを割いていたからです。
なぜ禁煙したいのかに真剣に向き合う
タバコをやめようと決意した人は、とりあえずまだ残っているたばこの箱を握りつぶしてごみ箱に捨ててみたりします。
これは、『なぜ禁煙する必要があるのか?』という「なぜ」の部分を十分に掘り下げずに、『とりあえず手元に残っているまだ吸ってないタバコを箱ごと握りつぶしてゴミ箱に捨てる』という「どのように」やめるかに飛びついてしまっている状態です。
「脳」はタバコをやめるということに完全に納得していないので、またタバコを吸いはじめてしまう可能性が非常に高いです。
けれど、もし禁煙に対して「なぜ」の部分を十分に掘り下げたうえで「どのように」タバコをやめるという行動に移れば、たとえまだ吸っていないタバコがいつまでも手元にあったとしても禁煙に成功できる可能性は高いです。
禁煙できないひとは禁煙することを恐れている
いやいやいや、禁煙したいから困ってるのに、禁煙を恐れているわけないじゃん。
と思いますよね。ごもっともです。
もしかしたらあなたは、これまで何回も禁煙に挑戦してきて失敗した経験があるのかもしれません。
ニコチン依存に勝てなかったり、強いストレスを感じた時にまた吸い始めてしまったり、飲み会でアルコールが入っている時に「一本どうぞ」とか進められてその一本が禁煙失敗の原因になったり・・・。
でもそれは、よくよく考えると、禁煙どのように失敗したかの「結果」でしかありません。
なんとしても禁煙を成功させる!!という強い意志があれば、ニコチン依存があったとしても次の一本を吸わなければいいだけですし、強いストレスを感じても次の一本を吸わなければいいだけですし、飲み会でタバコを進められても次の一本を吸わなければいいだけの話のはずです。
つまり、禁煙に失敗するということは、心のどこかで「禁煙に失敗してもいい」と思ってしまっているからなんです。
言い換えると『何かきっかけがあれば禁煙を中断して次の一本を吸うチャンスを待っている』とも言えます。
これ、もっと掘り下げていくと、実は禁煙に成功することを恐れているんですね。
自分でも認識できていない、潜在意識レベルでの話になってくるのですが、あたながタバコを初めて吸ったときに、周りの人に褒められたりしませんでしたか?
もしかしたらそれは未成年の時だったかもしれません。タバコを吸ったことで、周りの人たちから『仲間』だと認めてもらえたような、そんな気分になった経験はないでしょうか?
私の場合はこれでした。
あまり大きな声では言えませんが、タバコを吸い始めたのはタバコを吸ってもよい年齢になるよりも前でした。
そのときに、一緒にタバコを吸い始めた友達がいました。
互いに口には出さなかったけれども、なんとなくほかの友達とはちがう『仲間意識』のようなものが芽生えた感覚を覚えています。
『タバコを止めることはその友達との特別な関係を否定することになる』
しかし実際はそんなことはありません。
タバコを吸おうがやめようが、その友達との関係は変わりません。
自分自身でも気づかない潜在意識レベルで、勝手に恐れていただけでした。
そのことに気づくことができてはじめて、私は禁煙に成功することができました。
『青空の下で最高の一服』
最高なのはタバコではなく青空だったのではないでしょうか。
『親友と吸ったタバコの味が忘れられない』
素晴らしいのはタバコではなく親友とあなたの関係だったはずです。
『満天の星空を眺めて一服』
素晴らしいのは満天の星空であり眺めていたのはあなたの感情です。
本書より引用
禁煙するのではなく非喫煙者(ノンスモーカー)に戻る
いきなりですが、禁煙しよう!と決めても成功できる確率はとても低いです。
なぜなら『禁煙』とは『タバコを吸うことをひたすら我慢し続けること』であり、人間は何かを我慢し続けられるようにはできていないからです。
海外旅行や高価なレストランでのディナーなど、コストがかかることであれば多少の我慢はできます。
しかし、タバコは何といっても安く手に入るところが特徴です。
あんなに体に悪くて、依存度の高いものが、500円も払えば20本も手に入ります。
こんなに安く、どこでも簡単に手に入り、世界中のいたるところにあふれているものを我慢し続けるのは至難のわざです。
ではどうしたらよいのでしょうか?
視点を切り替えればいいんです。
『禁煙を続ける』のではなく『ノンスモーカー』になる。もしくは戻ればいいのです。
あなたが初めてタバコを吸ったのは何歳の頃でしょうか?
フィリピンのスラム街の子供たちでもあるまいし、5歳くらいからタバコを吸い始めたという人は少ないのではないかと思います。
早い人で中学校。大人になってもタバコを吸い続けている人は、だいたい高校生のころに最初の一本を吸ったという人が多いんじゃないでしょうか?(あくまでも例です)
仮にあなたが初めてタバコを吸ったのが16歳だとします。
かなり早い段階でタバコに手を付けた。とも取れますが、違う視点で解釈することもできます。
それは、タバコを吸っていなかった期間が人生で16年もあるということです。
この人の場合、非喫煙者歴、つまりノンスモーカー歴が16年もあるんですね。
このノンスモーカーであった16年間は、タバコが吸えなくて困ったことは一度もなかったはずです。
今からでも遅くはありません。
これからの人生、ずっとタバコを吸うことを我慢する、禁煙者になるのではなく、前のように非喫煙者(ノンスモーカー)に戻ればいいだけの話なのです。
喫煙による体への影響
この本は精神論だけでなく、たばこがモノとしてどれだけ危険かということも事細かに記されています。
「タバコを吸うと4000種類の化学物質を吸い込むことになる」という説もあるほどだと紹介されています。
聞いたことがある成分としては、青酸ガス、アンモニア、一酸化炭素あたりが挙げられます。
個別にこれらの化学物質を吸い込めと言われたら、単純に嫌ですよね??
タバコを吸うことで、これらの体に悪影響を及ぼす化学物質を複合的に吸い込むことになります。
あと、タバコと言えば『ニコチン』ですよね。
ニコチンってなんだか知っていますか?
ニコチン(nicotine)とは、植物塩基(アルカロイド)の1つ。主にタバコ(Nicotiana tabacum)の葉に含まれる。揮発性の無色の油状液体。生体に対し強い依存性を有し、たばこの喫煙によるニコチン依存症が公衆衛生上の大きな問題となっている[3]。
ニコチンは、昆虫に食べられることを抑制するために、タバコ植物が作り出す毒物である[4]。ナス・トマト・ジャガイモなど、ナス科ではしばしば見られる物質であるが、タバコ以外の種ではその量は非常に少ない[5]。
Wikipedia より引用
昆虫に食べられることを防ぐために植物が作り出す毒物である
衝撃的な一文ですね。
もっとかみ砕いて言うと、単純に『毒』ですね。
致死量50~60ミリグラムの猛毒。殺虫剤にも使用されると本書には書いてありました。
ちなみに、名探偵コナンでおなじみの有名な毒劇物である青酸カリの致死量は200ミリグラム程度だそうです。
ちなみにタバコ一本で20ミリグラムあたりのニコチンが含まれているとのことです。
ガラスのコップに浅く水を入れて、たばこを3本浸します。30分もすれば水は抹茶色に変色します。
その水を全部飲んだら・・・。
想像したくもないですね。
作者はこの抹茶色の水を『ニコチン茶』と呼んでいました。
ニコチン茶を実際に作ってみることをお勧めします。
実際に出来上がったら、よーく観察してみましょう。
飲み干したら、良くて重症。命を落とす危険もある猛毒の液体です。
なんで自分はこの猛毒を毎日せっせと吸い込んでいるのかを落ち着いて考えてみましょう。
本書には書いてなかったのですが、ティッシュを使っても簡易的に同じようなことができます。
タバコを吸っている時に、煙を吐き出す前にティッシュを口に当てて、煙を当てるようにして吐き出してください。
ティッシュを口元から話すと、煙の通った後の部分が茶色く変色しています。
あなたの肺でも同じようなことが起きています。
ニコチン無限連鎖でストレス倍増
タバコを吸うとストレスが軽減されると思ってませんか?
『イライラするときにタバコを吸うと気持ちが落ち着くんだよね』っていう人を見かけます。
これ、実は全くの逆です。
タバコを吸うことが習慣化している人は、常にストレスが高い状態です。
なぜなら常にタバコを吸うことを我慢している状態だからです。
で、タバコを吸っている時だけ、タバコを吸えたことによってちょっとだけストレスが軽減されます。
ちょっと難しいことを言うと、脳内の快楽物質であるドーパミンが出ることで、キモチヨサを感じさせられている状態です。
カラクリは血液中のニコチン濃度です。
タバコを吸うと血液中のニコチン濃度があがります。これが一時的にストレスが軽減されたと思い込まされている状態です。
血液中のニコチン濃度は30分で半分になってしまいます。
ニコチン濃度が下がると、また「タバコを吸えていない状態」に戻ります。常にストレスが高い状態です。
で、またタバコが吸いたくなる。負の無限ループですね。上にも下にも出口のない無限に続くらせん階段をひたすら上り下りしているような状態です。
完全に依存状態です。
この状態から抜け出す方法はあるのでしょうか。
簡単です。らせん階段から降りればいいのです。
つまりタバコを吸うことをスッパリやめれば、血液中のニコチン濃度が上がったり下がったりすることもなくなるので、タバコを吸えないことによるストレスも発生しなくなります。
ちいさく始めて3の倍数を意識しよう
何かを継続するには、まず始めることが大切です。
実は、1から100に伸ばすよりもから1に踏み出すほうが100倍は難しいです。
まずは、0から1に進みましょう。
毎日吸っているのなら1日だけやめてみる。これだけでOKです。
もしも1時間に1回タバコを吸うような生活なら、次に1時間経過したときにタバコを吸うのをやめてみる。これだけでも大きな一歩です。
人間は習慣の生き物です。
同じ習慣を続ければ続けるだけ、その習慣が当たり前になっていきます。
わたしはいつも『3の倍数』を意識しています。
0から1に踏み出せたのなら、まずは3日続けることを意識します。
3日続けることができたら、次は9日です。
本当は1週間にしたいところなのですが、1週間だときりが良すぎてそこで継続をやめてしまうきっかけになりかねないので、9日という中途半端な日数が効果的だと思っています。
9日継続できたのなら、次は思い切って3週間を目指します。
3週間も同じ習慣を継続できたら、ほぼその習慣が当たり前になってきている頃合いです。
タバコが吸いたくて吸いたくて仕方なかった禁煙1日目のことを思い出すと「なんであんなにタバコに執着していたのだろうか?」くらいの気持ちになっているはずです。
ここまで来たら3の倍数の期間をどんどん広くしていきます。3か月、6か月、9か月、12か月(1年)、3年、6年、9年・・・。
正直なところ、3週間が一番重要です!
3週間続けられたら、むしろ新しい習慣が当たり前になっているので、タバコを吸いたいという気持ちを思い出すことのほうが難しくなってきます。
ただ、いきなり「3週間禁煙してください」って言われたら「え・・・長・・・」ってなりますよね。
だから、0から1を意識して小さく始めて、3の倍数を意識することが重要なんです。
参考にした書籍一覧
10年以上前に日本一周中にたまたまブックオフで見つけた一冊です。運命的な出会いでした。その後、弱小企業に就職したのですが、その職場の休憩所に誰でも本を持ち込んで置いておいてよいスペースがあったのでこの本を置いておいたところ、数人の方がこの本を読んで禁煙に成功したといっていました。とくに強く読むことを進めたわけではなく、本当にただ本を置いておいただけなので当時はかなり驚きました。
漫画で読めるので、文章で読んだら難しかったり重かったり堅苦しい内容もサクサク読み進めることができます。タバコだけではなく、酒や薬物も含む『依存症』からどうやって抜け出すかを親切丁寧に、かつ面白おかしく紹介しています。タバコを、酒、薬物、と別々に考えるのではなく、それら全部が『依存性の高い成分を領したビジネスモデル』だと気づかせてくれる一冊です。ちなみにちらは『依存症編』のなかでも「酒・タバコ・薬物」編と「ネット・スマホ・ギャンブル・ポルノ」編に分かれています。どちらもオススメです。
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