ABC分析とは?データ分析で勝てる強みを見つける必須ツール

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ABC分析ってたまに聞くけどしっかり理解できてないな。どうやら売り上げとかを商品ごとに分析するやりかたみたいなんだけど、どうやってやるんだろう。そもそも分析したところで何が分かるんだろうか?
悩む人
悩む人

この記事を読むことで

・ABC分析とは何か
・ABC分析の情報をどう使うか
・ABC分析を用いた戦略立案の注意点

が分かります

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ABC分析とは何か

各要因が生み出している結果を高い順に並べて重要度が高い、中くらい、低いの3段階でグループ分けすることです。

具体的な例をあげるとすれば、取り扱っている商品それぞれの売り上げを高い順に並べてABCの3グループに分ける分析手法です。

要は、ABC分析とは『結果を出す要因にしっかりリソースを追加するための下調べ』です

小売店で商品を分析する際に多く用いられている手法を例にとって説明します。

下記の表のように品目、売上高、売上割合を記載します。

売上割合の高い順から累積売上割合の

70%程度をA群
70%~90%程度をB群
90%~100%をC群

として分類します。

A群は売れ筋商品です。たった2品で売り上げの大半(70%)を占めていることが分かります。

在庫が切れることのないようにしっかりと管理します。

B群はエースではないですが3品で売り上げの20%(70%から90%まで)を支えています。

過剰在庫とならないように適正在庫を把握して在庫を持ちすぎないようにコントロールします。

C群に属する製品はその他をのぞくと5品で売り上げの3%にしか貢献できていません。

在庫を管理することでスペースの確保や人的リソースを消費することになるため取り扱うことで逆に損をしてしまう可能性があります。

取扱いをやめることを検討してもよいかもしれません。

これをパレート図というものであらわすと以下のようになります。棒グラフが各品目の売上高を、線グラフは各品目売上高累計割合を表現しています。

このような図をパレート図と言います。パレートの法則が当てはまるためにそう呼ばれます。別名80対20の法則です。

「全体の結果の80%は20%の要因から生み出されているという法則」です。

ちなみに、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが『全体を構成するうちの一部の要素が生み出している法則』を発見したことからパレートの法則という名前がついています。

これを先に解説した売り上げ表に当てはめると

「商品の売上高の8割は、全商品のうちの2割の品目が生み出す」

と言うことができます。

11品目のうち3品目で売上の8割を占めていることが分かります。

11品目中3品目は27%なので80対27ですね。まぁ80対20の法則の誤差の範囲内でしょう。

ABC分析から得た情報をどう使うか

販売戦略を立てる場合は売り上げの80%を占める上位3品に集中すべきです。

店舗があるのであれば入り口付近に大々的に3品目の製品のスペースを確保すべきです。

広告を打つのであれば間違いなくこの3品がメインになるべきです。

ABC分析は比較的に小売業のようなモノを売るタイプの職種の分析手法として使われいるケースが多いです。

何がどれだけ売れたか帳簿にしっかり残るためにあとあと分析しやすいからですね。

さらに、ABC分析はデータさえあればどんな産業にでも活用することができます。

・製造業であれば不良の原因別に件数をカウントすることでABC分析ができます。

・サービス業であれば取引先ごとの売り上げデータがあればABC分析ができます。

どの場合も同じで2割の要因で8割の結果を生み出しているはずです。

ABC分析を用いた戦略立案の注意点

ここまででABC分析のやり方と使い方について解説してきましたが、次のステップとして業界の特性ごとの分析が必要になります。

例えば製造業で不良の原因に対してABC分析を実施した場合、Aグループだと判明した原因は即座に取り除くべきです。

だってAグループの原因を取り除くことができたら70~80%の不良の原因を排除することができるからです。

逆に、取引先の営業に関しては、Bグループの成長やCグループの開拓に力を入れるべきかもしれません。

なぜならAグループの取引先とはすでに良好な関係が築けており、70~80%の売り上げを『維持』することを考えたほうがほかのことにリソースを割くことができるからです。

また、小売りでもメインの売り場が店舗なのかネットなのかでも考え方が変わってきます。

店舗であればスペースが限られているので、注力すべきはAグループです。

売り上げを生み出さないCグループに店舗の賃貸料や固定資産を払っている場合ではありません。

それに比べてネット販売であれば、理屈上は在庫を持つためのスペースに限りはありません。

在庫をいくらでも持てるのであれば、無限に広がるCグループの品ぞろえを豊富にすることによってニッチな需要に応えて売り上げを伸ばすことも可能です。

パレート図のロングテールの部分ですね。

このように場合によってはC群に力を入れるべきとそうでない場合があります。撤退をしてはいけない場合もあります。

あと、全般的に言えることですが、その業界自体が成長しているのか衰退しているのかによっても戦略が変わってきます。奪い合うパイが拡大しているのか縮小しているのかの違いですね。

あくまでも分析ツールは現状を把握するための道具です。

ビジネスで大事なことは『より少ない労力で最大の効果を得ることを目的とするべき』であるはずです。

分析で現状が把握できたら、戦略の立案は複数の視点から客観的に行う必要があります。

より詳しい分析とケースごとの考え方を学びたい場合は以下の書籍が非常に参考になります。

小山昇の“実践”ランチェスター戦略 ~成果を確実に出し続ける科学的な方法

こちらの書籍では売上高(シェア)というひとつの要因だけでなく総需要(業界全体での売上高)という二つ目の要因も交えて2軸でABC分析をする方法が紹介されています。

自分の商品が市場を独占しているなら競合は気にしなくてもいいですが、ほとんどの場合は業界全体の売り上げを競合と奪い合うことになるはずです。

そんな時に、自分の売上高という一つの要因だけでなく、業界全体の売上高を考えることはとても重要だと思います。

『小山昇の“実践”ランチェスター戦略 ~成果を確実に出し続ける科学的な方法』ではABC分析に止まらず、分析によって得られた情報を実際のビジネスに展開するための考え方や26社の成功実例をもとに実際のケースが紹介されています。

それらを総称して『ランチェスター戦略』と言います。

ABC分析を理解できたのであれば、次は『ランチェスター戦略』を学ぶことをお勧めします。

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