ビジネス統計スペシャリストってどんな資格?勉強方法や勉強時間から取得のメリットまで徹底解説

スキル系
スポンサーリンク

統計学の資格というと、真っ先に「統計検定」が候補に挙がりますがわたしはおすすめしません。統計検定は歴史が古く、名前も知られています。しかし、試験で点を取るためには公式を暗記して手計算で数式を解かなければいけません。この知識と技術は自分の仕事では全く役に立ちません。

そこでおすすめしたいのが統計の知識とエクセルのスキルが同時に学べるビジネス統計スペシャリスト」という資格です。

スポンサーリンク

資格の概要

「ビジネス統計スペシャリスト」は、2017年4月に誕生したOdyssey系のCBT試験で、エクセルによるビジネスデータ分析のスキルを証明する試験です。試験には、基礎レベルの「エクセル分析ベーシック」と上位レベルの「エクセル分析スペシャリスト」の2種類があります。コンピューター上で実施するCBT形式なので年に数回ある試験に向けてスケジュールを調整したりする必要がありません。

もちろん履歴書にも書けます。

※履歴書の記載例:

  • ビジネス統計スペシャリスト エクセル分析ベーシック取得
  • ビジネス統計スペシャリスト エクセル分析スペシャリスト取得

ちなみに私は上位レベルのエクセル分析スペシャリストを持ってます。

エクセル分析ベーシック(基礎レベル)

試験としては初級レベルです。統計知識は統計検定3~4級くらいの難易度レベルと判断できます。エクセル分析ベーシックは、平均値や標準偏差など、ビジネスデータの基本的な情報を把握したり、エクセルのグラフ機能や関数を使用してデータの傾向や相関関係などを発見・分析する基礎的な分析スキルを評価する試験科目です。

  • ビジネスデータ把握力:平均/中央値/最頻値/レンジ/標準偏差
  • ビジネス課題発見力:外れ値の検出/度数分布表/標準化/移動平均/季節調整
  • ビジネス仮説検証力:集計/散布図/相関分析/回帰分析/最適値

傾向と対策

統計学の基本的な知識だけでなく、実際にエクセル関数やグラフ機能などを使って分析力を測定するための試験です。統計学を勉強したいと思っている方はもちろんのこと、すでに業務でデータ分析を担当されている方にも最適な試験です。ビジネスマンなら全員が受験したほうがいいんじゃないかとすら思えます。就活をしていたり、新卒で入社したての人には特におすすめの試験です。

義務教育で習う算数・数学レベルを習得していれば、十分理解して実践できる内容ですが、Excelの作業動作にスピードが要求されます。Excelの操作にある程度慣れていないと合格は難しくなります。

参考書は、試験を運用するオデッセイが公式に発表しているこちらがおすすめです。

エクセル分析スペシャリスト(上位レベル)

試験としては中級レベルです。統計知識は統計検定2~3級くらいの難易度レベルと判断できます。エクセル分析スペシャリストは、ベーシックと比べてグッと難易度が上がります。統計の基本的な知識が習得できていることを前提に、確率分布や標本分布、仮説検定・推定、相関分析・回帰分析などの統計分析理論と、Excelの分析ツールを活用してビジネスデータを分析する実践力を評価する試験科目です。

  • 操作編:基本統計量/一元配置分散分析/平均値の差の検定(t検定)/相関分析/回帰分析
  • 知識編:母集団とサンプリング/データのまとめ方/確率分布と標本分布/検定と推定/相関と回帰

傾向と対策

知識問題とエクセルの実技操作を伴う操作問題が出題されます。操作問題はエクセルを操作して図や表を作成し、関数を使って計算を行い、データを分析し、分析結果をもとに択一問題または数字や文字を入力する穴埋め問題に解答する形式になっています。エクセル操作スキルと、統計学の知識の両方が十分でなければ合格できない実践的な試験です。

参考書は、試験を運用するオデッセイが公式に発表しているこちらがおすすめです。

勉強方法と勉強時間

「エクセル分析ベーシック」

教材は、試験を運営するオデッセイの教材を使用して独学で合格を狙うのが一般的です。練習用のファイルがついているので実際にエクセルを操作して学習を進めることができます。

勉強時間は、公式テキスト+模擬テスト+章末練習問題など、合計で50~60時間。
ただし、統計学の知識のない人、エクセルやパソコンスキルの低い人は、必要時間数がこれより長くなりますので、それらを考慮して受験対策を立てねばなりません。

「エクセル分析スペシャリスト」

対策として重要なことは、エクセルで分析ツールを使えるようにしておくことです。試験ではExcelの販売データなどを分析して解く問題がよく出ますので、グラフの作成に慣れておくことです。分析に関しては、相関分析と回帰分析と分析結果の読み取り方を十分勉強しておく必要があります。教材はベーシックと同じく公式のテキストが最適です。

統計の知識がない人は、統計の基礎をひと通り勉強してから公式教材に進む方がいいでしょう。

データ分析に必須!統計学を独学したい人におすすめの本7選【書籍紹介】
データ分析に必須な統計の知識を習得するために、数学が苦手な私でも抵抗なく読み進められた本を【基礎編】【計算編】【実践編】の順で計7冊ご紹介。最近では図やイラストで直感的に理解できるよう工夫されている良書が増えてきています。

勉強時間は、統計学の知識があり、Excelが使いこなせる人なら20~25時間程度で突破が可能でしょう。知識のない人の場合は50時間以上かかると考えて計画しましょう。

ここから先はこの記事を書いた時点での情報の紹介です。より正確な情報は公式のホームページを参照してください。

試験方式

●コンピューター上で実施するCBT形式です。

【エクセル分析ベーシック】

  • 試験時間:60分
  • 出題数:40問前後(出題形式は択一問題、穴埋め問題です)
  • 合格基準:700点(1000点満点)

【エクセル分析スペシャリスト】

  • 試験時間:60分
  • 出題数:30問(知識編20問、操作編10問)
  • 合格基準:700点(1000点満点)

※出題形式は択一問題、穴埋め問題です。統計の基礎知識を問う知識編とエクセルの実技操作を伴う操作編が出題されます。知識編は択一問題に解答しますが、操作編はエクセルを操作してデータを分析し、分析結果をもとに択一問題または数字や文字を入力する穴埋め問題に解答します。

受験資格

受験資格は特にありません。年齢・国籍を問わずどなたでも受験できます。ただし、試験当日に小学生以下の方は、保護者の同意が必要になるようです。

※再受験する場合
(1)同じ科目を2回目に受験する場合、前回の受験から1日(24時間)待つ必要があります。
(2)3回目以降の受験は、前回の受験から2日間(48時間)待つ必要があります。

スケジュール

  • 試験の申込み:試験は最寄りのOdyssey CBT会場で受験できます。
  • 試験結果:結果(合否)は試験終了直後にコンピューターのモニターに表示されます。終了後、「試験結果レポート」が渡されます。
  • 合格証:合格者には、受験から約4週間で合格証が郵送されます。

受験料

【エクセル分析ベーシック】

  • 一般価格 6,600円(税込)
    割引価格 4,400円(税込)

【エクセル分析スペシャリスト】

  • 一般価格 10,780円(税込)
    割引価格 8,800円(税込)

※どちらも割引価格はMOS、IC3、VBAエキスパート、コンタクトセンター検定試験、ビジネス統計スペシャリストの資格を1つでも取得している方と試験当日に学生の方に適用されます。
※割引価格の利用方法は「割引受験制度」を参照ください。

資格を道具として使おう

データ分析が全く浸透していない組織に、統計学を持ち込もうとするとだいたい反発されます。

「統計学とかなんか小難しいこと言ってるけど、今までのやり方でいいんじゃない。ていうかキミ資格もってるの?」と言われてしまうようなケースですね。

独学で統計を学んでビジネスで応用できるくらいの知識とスキルが身に付いたとしても、職場で受け入れてもらえないのでは意味がありません。そんな時に役に立つのが資格です。

悲しいことに、人は「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」のほうを重要視します。「データを客観的に扱うための統計学を勉強しましょう!とオススメしていることから矛盾してるじゃん。」と思われてしまうかもしれませんが事実なので仕方がありません。

目的は統計学を使ってもっと仕事で結果を出すことです。周りを納得させるために統計学の資格が必要なのであれば、道具として使うべきです。資格の取得が目的ではないことがポイントです。

統計学を学ぶ目的を明確にしよう

資格試験の勉強で一番の要となるのは、教材選びでも、地頭の良さでも、環境でもありません。一番重要なのは「勉強に取り組むモチベーションを維持すること」です。

資格をとろうと決めて勉強をし始める時はモチベーションが高いのですが、コツコツと学習を進めていくうちに「あれ?なんでこんな大変なことやってるんだっけ?」と我に返る瞬間があります。

そんなときに「なぜこの資格を取る必要があるのか?」という目的が明確になっていないと、どこに向かって進めばいいのか分からなくなってしまい、学習に対するモチベーションが急降下してしまいかねません。独学ならなおさらです。

過去の自分に最短ルートを教えたい・・・!

ここからは私の自分語りです。このブログを運営している私に少しでも興味を持ってくれた方はどうぞお進みください。

わたしは30歳を超えてから統計学を学ぼうと思い立ち、「勉強するならやっぱり資格っしょ」という安直な気持ちから「統計検定2級」にいきなりチャレンジして玉砕したり、微分積分や組み合わせや順列の公式をせっせと覚えたりと、おせじにも効率が良いとは言えない勉強方法を実施していました。

今振り返れば「統計学を仕事で活用する」という目的からかなりかけ離れた学習の方法を選んでしまっていました。実現したい姿と照らし合わせた時に、自分がやっていることがダイレクトにつながっている実感が持てないと、モチベーションはあっという間に下がってしまいます。

これではいけない!と思い、自分は何のために統計学を学ぼうと思ったのかということに再度立ち返りました。そこでやっと、統計の数式を自力で解く必要がないという当たり前すぎることに気づくことができました。

学習の戦略をイチから見直しました。統計学を「使える」ようにするためにはどうしたらよいかということをリサーチした結果、統計学を学びつつエクセルでデータ分析できる能力も身に着けることができる「ビジネス統計スペシャリスト」という超実務向きな資格があることを発見しました。

仕事のパフォーマンスに直結しない「統計検定2級」に合格するという目標は捨てて、統計学の知識とエクセルのスキルを並行して学ぶことができる「ビジネス統計スペシャリスト」の資格取得に大きく舵を切りました。今振り返ると、この方向転換が最大のターニングポイントでした。

私は、いまだに統計に関する長くて複雑な計算式を自力で解くことはできません。それでも仕事では統計学を活用し、「統計ができる人」という信頼を得ることができ、自分の強みとして活用できています。統計検定2級を取る!というノリだけで決めた目標に固執してしまっていたら、今のこの状況にたどり着けてはいなかったでしょう。

貴重な時間を割いてこの記事を読んでくださっている方に、私と同じ過ちを犯してほしくはありません。ここまで読んでくれた方はきっと「統計検定」に合格するといったような資格を得ることが目的ではなく、「統計学を使って活躍したい」「データ分析で統計学を活用したい」といったような、統計学をツールとして「使える」ようになりたいという願望をお持ちではないかと思います。

そんな方には、ぜひとも数式を自力で解くことをやめて、統計学とエクセルスキルをセットで学習することができるお「ビジネス統計スペシャリスト」の資格取得を目指してみることをススメしたいです。

こちらの記事もオススメです。

統計学を学びたい!と思ったらまずは読んでいただきたい本です。ゆるいタッチのマンガでキャラクターたちの会話がメインなので肩の力を抜いて読み進めることができます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました