【本要約】シンプルルールズ SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える

スキル系
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SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考えるという本を読みました。とても参考になったので要点をまとめておきたいなと思い記事にしました。

本記事はこんな人におすすめ

SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考えるを買おうか迷っている人、要点だけ知りたい人

そもそも本書を手に取ったきっかけは「妻が読んでいて本のタイトルに興味を持ったから」なんですが、妻がなぜ読んでいたのかというとメンタリストのdaigoさんがオススメしてたからだそうです。


 

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シンプルルールズという本の特徴

この本では、シンプルで洗練されたルールがどれだけ優れていて、世の中には必要以上に複雑化してしまっているルールがどれだけ多いかを様々なエピソードを紹介しつつ解説しています。アメリカの本に多いパターンですが、エピソードとそのエピソードの信頼性を裏付けるための論文などのエビデンス紹介が多く、著者の意見は少ない構成になっています。

良く言えばバラエティに富んでいていろんな角度からシンプルなルールの重要性を確認できる内容になっていますが、悪く言えばとっちからっていて「結局この本を書いた人は何を伝えたいんだ?」となってしまいがちです。

そこでこの記事では、全体の要約ではなく、私がシンプルルールズを読んで一番の核となるポイントだ!と思った部分を紹介させていただきます。

シンプルルールズではいかにシンプルなルールが重要であるかがいろんな角度から紹介されています。そのいっぽう、作りこまれた複雑なルールも大事であると主張しています。

ちなみに、私は本の最初から最後まで全部読んだのですが、おすすめしたいのは208ページの【監訳者あとがき】を一番最初に読むという読み方です。

監訳者は戸塚隆将さんという方で慶應義塾大学経済学部を卒業したのちにゴールドマンサックス勤務後、ハーバードビジネススクールのMBAを取得し、マッキンゼーを経て、2007年に英語学習プログラムを主力とするベリタス株式会社を自ら設立して代表取締役に就任しているような人です。一言でいえば超エリートですね。(ハーバードビジネススクール時代にシンプルルールズの著者のドナルド・サル教授から直接講義を受けています。)

この超エリートの戸塚隆将さんが、シンプルなルールをプライベートとビジネスにどのように生かしているのかを簡潔に紹介してくれているのが【監訳者あとがき】です。

日常の健康管理に関しては

1.早起きすること
2.週に1回は運動すこと
3.アルコールは週3回まで

会社の経営に関しては

1.情熱を感じるか
2.世の中に求められているか
3.自分たちの強みを活かせるか

といったシンプルなルールが紹介されていて、なぜこのルールが効果的なのかもしっかり開設されています。【監訳者あとがき】は非常によくまとまっている『SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える』の縮小版といえます。

シンプルなルールと複雑なルール

シンプルなルールとは

「緊急事態」や「異常事態」をとにかく早く解消することを目的とするルールです。

例えば戦場で多くの負傷者が出た場合に野戦病院で誰から順番に治療したらいいかを判断するための明確な基準です。

シンプルなルールの特徴は「ルールの数が少ない」「カスタマイズできる」「具体的である」「柔軟性がある」の4つなんだそうです。しかし私はどんなルールであれ「具体的である」ことは大事だとかんがえているので、シンプルなルールの本質は「ルールの数が少ない」「カスタマイズできる」「柔軟性がある」の3つだと受け取りました。

さらに私なりの解釈ではあるのですが、それぞれの本質をもっと細かく定義できると考えます。

「ルールの数が少ない」・・・片手で数えられる数まで

「カスタマイズできる」・・・ルールの内容を変えることができる

「柔軟性がある」・・・ルールの適用範囲をかえることができる

本書の冒頭で緊急事態の最たる例として戦場における野戦病院のトリアージが取り上げられています。1人でも多くの負傷者の命を助けるというゴールを達成することに全力を尽くす場合にシンプルなルールが効果を発揮します。

ちなみに映画パールハーバーでは多数運ばれてくる負傷者を簡易的にトリアージするために、看護婦のイヴリンが真っ赤な口紅で負傷者の額に額に「M」(minor)歩ける傷、とか、この人のように「F」(fatal)致命傷、などと書きこむ描写があります。

戦争の最前線である野戦病院のような極限の環境下では、長時間考えている時間や余裕など全くありません。考える時間を長くとればとるほどそれだけ失われる命が多くなってしまいます。

そんな時に役立つのがシンプルなルールです

野戦病院のトリアージでいえば、負傷者が返答可能か、心拍数はどの程度か、一定期間の呼吸数はどの程度かといった限られたチェック項目が定義されています。

(1)指示に従えるか
(2)脈拍数が毎分120未満か
(3)呼吸数が毎分10以上30未満か

というたった3つのルールに基づき負傷者は4つのグループに分別され治療方法や搬送先の優先順位が決められます。

まさに“必要最小限”の極めてシンプルなルールですが、このルールを徹底的に適用させることによって戦場の最前線という極度の緊張が強いられる極限状態でも迅速かつ正確な判断ができるのです。

チェック項目によって負傷者を4つのグループに即座に分類できる仕組みが確立されています。

 緑:軽傷グループ
 黄:待機的治療グループ
 赤:最優先治療グループ
 黒:死亡グループ

治療や搬送の優先順位は 赤→ 黄→ 緑→ 

シンプルルールによって負傷者たちをどの順番で治療したらよいのか優先順がきまります。誰から治療すればよいのかが明確になることで1人でも多くの命を救うことにつながります。

ちなみにトリアージのシンプルルールが開発される前(第一次世界大戦まで!)は戦争の全線でけがを負った兵士たちは『先着順』で治療を受けていました。アメリカ南北戦争のころ(1861年開始)では軽傷で治療を受けることができなくても死ぬことはない負傷者が、今すぐにでも治療しないと死んでしまう負傷者よりも前に『はやく着いたから』という理由だけで治療を受けていたのです。

トリアージにおける負傷者をグループ分けするためのシンプルなルールは「すぐにでも治療しないと命を落としてしまう人が目の前にいる」という「緊急事態」をいち早く収束させるためのルールです。

目の前の負傷者にシンプルなルールを適用してグループ分けを続けていくと、どこかのタイミングでグループ分けされていない負傷者はいなくなります。目の前の負傷者たちにをどの順番で治療したらよいかという順位つけが終わったら、あとはひたすら優先順位に従って治療や搬送といった処置を施していくだけです。

負傷者を治療する優先順位が決まっていないという「緊急事態」は収束したことも言えます。このように、シンプルなルールは「緊急事態」をいちはやく収める時に有効に働きます。

複雑なルールとは

「良い状態をキープしたい」ケースで複雑なルールが有効に働きます。

複雑なルールの特徴は、単純にシンプルなルールの逆だと考えれば「ルールの数が多い」「カスタマイズできない」「柔軟性がない」となります。

本書では飛行機の点検項目のような最初から最後まで何をどの様に確認したらよいか、どういった状態が良好でどういった状態が不良であるかが明確に定義されている『作業マニュアル』が複雑なルールの例として挙げられています。

事細かに細部まで決められていて、簡単に変えることができないのが複雑なルールです。作業のマニュアルや契約書、法律や憲法などが該当します。これらのルールのもとでは、早さよりも正確さが求められます。じっくりと時間をかけて、膨大なチェック項目から抜けや漏れがないのかを正確に確認することで「結果の品質が保たれること」を維持します。

2つを比べると、確かにシンプルなルールも作りこまれたルールもどっちも大切な気がします。
その直感は正しく、実は『どちらも等しく重要』です。

どちらが大切かというよりは、使いどころを間違えないことの方が大事です。

おさらいになりますが、シンプルなルールが有効に働くのは「緊急事態」のケースです。反面、複雑なルールが有効に働くのは「良い状態をキープしたい」ケースです。

ダイエットを例にシンプルなルールを考えてみる

野戦病院でのトリアージや飛行機の点検チェックリストを例に挙げて解説してきましたが、正直なところ極端な例なので「シンプルなルールをどうやって自分の生活に落とし込んだらいいの?」という肝心な部分がイメージしづらいかと思います。

そこで戦場での生き死にを左右するトリアージとはシリアス度合いがだいぶ違いますが、ダイエットを例にとってシンプルなルールを考えてみましょう。

とはいえ肥満は現代病とも呼ばれていて長期的には糖尿病や脳卒中を引き起こす原因ともなり得るので、ダイエットも生き死にに関わることと言えなくもないかもしれません。

ダイエット経験者の方なら身に覚えがあるかもしれませんが、いざ取り組むとなるとはりきって複雑な決め事をしてしまい、結局継続できずにすぐにやめてしまうパターンが多いです。

ざっとダイエットに効果がありそうな決まり事をあげると…

・糖や炭水化物を控える(スイーツやスナック全般禁止、米やパスタやパンをさける)
・1日の摂取カロリーを1500Kcal以下に抑える
・コーヒーにミルクと砂糖を入れない
・毎日体重を計測して記録を取る
・毎日30分以上運動する
・アルコールは取らない
・夜20以降は食べない
・間食しない

これだけのルールを完璧に守ることができれば、ダイエットが成功する確率が高いです。というより太る方が難しいでしょう。とはいえ8つもルールがあるので、毎日継続してすべてを達成することは難しいです。ダイエットだけやっていればいいわけではないので、日々の生活に8つの細かいルールが追加される形です。

はりきってルールをつくっても、達成できない項目があるとモチベーションが下がります。忙しくて運動できない場合は、誰だって「今日は運動できなかったな」と考えてしまうでしょう。できていることよりもできていないことに目が向きがちです。しだいにルールを守れなかったことが負担に感じられるようになります。

最終的には「やっぱり自分は意志が弱くてダイエットに向いてない」と、自己否定に走ってしまい、結果としてダイエットを継続することが難しくなってしまいます。

では、本書で紹介されているダイエットを成功させたシンプルなルールが紹介の紹介とまいりましょう!

【食事の回数は1日3回として専用の皿のサイズに乗り切る分量しか食べてはいけない】

これだけです。たったひとつのルールです。

ダイエットの目的は体重を下げることです。確かに運動や食べるモノの種類を選定することは体重の低下に効果があります。しかし、誰でもわかることですが、やっぱり太っている人は人よりも多く食べています。単純に、食べる量を減らすことが体重を減らすこととダイレクトに関係しています。

ダイエットをしなければいけない状況というのは「緊急事態」であると定義することができます。だったら運動とか栄養のバランスとかにあれこれ気を回さずに、食べる量を制限してとにかく体重を落とすことだけに集中するべきです。

ある程度体重を落とすことができたとしましょう。「緊急事態」が解消されたと定義することができます。そうしたら、次に必要なのは「良い状態をキープ」するためのルールです。

「非常事態」を解決するためのシンプルなルールに対して、「良い状態をキープ」するためには、細部まで作りこまれた複雑なルールが有効でしたね。

目標は「ダイエットを成功させる」から「体重をキープしつつ健康な食生活を送る」にかわります。この段階まで来たら、食べるものの種類を気にしたり、生活に運動を取り入れてみたり、ファスティング(プチ断食)によるデトックスを試してみたりしてもいいかもしれません。どちらかと言えばこれらはルールというよりは作りこまれた『マニュアル』と言えるかもしれません。

このように、『シンプルなルール』と『複雑なルール』はどちらが優れているかというよりは、状況に応じてどちらを適用させるかという判断が重要になります。

まとめ

シンプルルールズ SIMPLE RULES 「仕事が速い人」では今回解説したような事例が山のように紹介されています。野戦病院での的確な判断、ダイエット成功法、プロ野球チーム運営方法、消防隊の生存戦略、マッチングアプリの活用法、子育て、うつ病との付き合い方・・・などなど

ビジネスにもプライベートにも参考になる事例が本当にたくさん紹介されいます。いろんなパターンの事例が紹介されているので「これは使える!」と思える部分が必ずどこかにあるはずです。

シンプルルールズ SIMPLE RULES 「仕事が速い人」に少しでも興味を持たれたのであれば、実際に手に取ってみてそれぞれのエピソードに目を通してみてはいかがでしょうか。


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