この記事の概要
〇GI値と糖尿病の関係
〇低GI食品なら食べた後に眠くならない!
低GI食品とは
一般的にGI値が70以上を高GI食品、56~69が中GI食品、55以下が低GI食品として分類することができます。
引用:大塚製薬の公式通販
GIは、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指標のことです。食品ごとにGI値が設けられており、GI値が低い食品は血糖値の上昇を穏やかにします。
わたしが低GI食品に興味を持ったのはある本を読んだことがきっかけでした。
それは『小麦は食べるな!』という本です。この本によれば小麦製品であるパンのGI値は72で、砂糖のGI値は59なんだそうです。ちなみにインゲン豆は51でグレープフルーツは25で、サケやクルミなどの非炭水化物食品のGI値は基本的にゼロなんだそうです。
GI値によれば、ほとんど例外なく小麦食品程GI値が高い食品はないとのことです。
『小麦は食べるな!』についてはこちらの記事で詳しく解説しているのでどうぞ。
なぜ低GI食品が良いのか
GI値が低い食品が良い理由は、食べても血糖値が大きく上昇しないからです。血糖値が極端に上がらないので大量のインスリンも分泌されません。結果として、肥満にもなりにくく臓器の疲労も抑えることができます。
なぜ低GI食品が良いのかを説明するためには「ブドウ糖」と「インスリン」を解説する必要があります。
食事を通して取り込まれた糖質は、口や胃などの消化器官を経由するなかで消化酵素によって分解されていき、最終的に小腸でブドウ糖や果糖などに分解されます。
GI値が高い食品を食べると血糖値が爆上がりします。爆上がりした血糖値を下げるために膵臓はインスリンを分泌します。インスリンの作用によって細胞が糖を取り込みます。血液中からブドウ糖の量が減るので血糖値が下がります。
これが、ブドウ糖とインスリンの働きによる血糖値の乱高下(ジェットコースターサイクル)です。血糖値の乱高下には食欲が増進する働きがあります。この食欲増進効果には中毒性があり、無意識に「またあの感覚が味わえる(GI値が高い)食べ物を食べたい」と強く感じるようになります。
まさに「高GI食品依存状態」に陥り内臓脂肪が蓄えられていくサイクルが止められなくなります。
この高GI食品の悪連鎖にはいいことがひとつもありません。内臓は疲弊するし、脂肪は沈着するし、肥満体系になるし、長期間続けば糖尿病になる可能性だってあります。
この悪循環から抜け出すためには、ジョギングを始めたり、新しいサプリを飲むことといったような、新しく何かを始めるのは効果的ではありません。高GI食品を避けて食べないコトが重要です。
GI値と糖尿病の関係の解説
GI値は血糖値と直結しています。高GI食品を食べれば血糖値が爆上がりしますし、低GI食品なら血糖値の上昇を緩やかに抑えることができます。
極論ですが、GI値の高い食べ物ばかりを食べていると、いつか糖尿病になってしまう可能性が非常に高いです。
高GI食品とインスリンによる血糖値の乱高下を長期間繰り返すと、人体はインスリンを分泌できなくなったり(インスリン分泌障害)、分泌できたとしてもインスリンが効きにくい体質になってしまいます(インスリン抵抗性亢進)。こうなると自分の体の機能だけで血液中の血糖値が下げられなくなってしまいます。いわゆる糖尿病の出来上がりです。
引用:https://ycl.jp/diabetes/page-105/
糖尿病は心疾患、脳卒中、高血圧、腎臓病、骨粗鬆症、関節炎、がん、といったあらゆる老化現象が人生の早い段階で、より急速に引き起こされる病気です。意識的に避けることができるのであれば、絶対に避けたいですよね。
低GI食品でなら食べた後に眠くならない!
私が実感している低GI食品の最大の利点は、食べた後に眠くならないことです。
低GI食品のメリットは血液中の血糖値が上昇しにくいことです。逆に高GI食品(例えば菓子パン)を食べると、一気に血糖値が爆上がりします。
血糖値が上がるということは、血液中のブドウ糖が増えるということです。もちろん脳も血液の供給によって機能しているため多大な影響を受けます。ブドウ糖は脳の唯一の栄養源です。
急激に増えた全身のブドウ糖に対処するために大量のインスリンがすい臓から分泌されます。ブドウ糖による高血糖とインスリンの作用による血糖値急降下のジェットコースターサイクルによって、全身の血糖値がさがります。結果的に脳に十分なブドウ糖が行き渡らなくなります。この作用で一気にアタマが働かなくなります。結果として睡魔という形で午後の2時~3時に襲い掛かってくるという仕組みです。
低GI食品なら食べても血糖値が急上昇しないので、インスリンの分泌も穏やかです。血糖値の急上昇がなく、血糖値を下げる作用のあるインスリンも穏やかなため、脳にブドウ糖がいきわたらなくなってしまうとう作用が発生しにくいのです。
低GI食品のススメ
ここまで解説してきたように、低GI食品はメリットだらけです。
繰り返しになりますが、食べても血糖値が極端に上がらないので大量のインスリンも分泌されません。結果として、肥満にもなりにくく臓器の疲労も抑えることができます。血糖値の乱高下が発生しないので、脳にブドウ糖がいきわたらなくなってしまうことによる急激な睡魔に襲われることもありません。
どんなものが低GI食品に該当するのかはいちいち解説しません。ネットで検索すればいくらでも情報が転がっています。とはいえ、直感的に体によさそうなものがやっぱり低GI食品に該当しています。(例えばレタスサラダ、納豆、さんまの塩焼きなどなど)
わたしは、ここ数年平日の昼食を小麦のかたまりともいえるカロリーメイト4本で固定していたのですが、低GI食品を理解できたことをきっかけに自家製のサラダを会社に持っていて食べるスタイルに変更しました。この昼食スタイルに切り替えてから、ちょっと疲労がたまっていたり、睡眠時間が短かったりしても、ランチの後の午後に猛烈に眠くなって仕事が手に付かないということはなくなりました。
あと、低GI食品の解説というコンセプトから若干ずれてしまいますが、1日3食という常識を疑ってみてもいいかも知れません。そもそも低GI食品を選ぶ理由は血糖値の乱高下を避けるためですが、そもそも何も食べなければ食べたものによって血糖値が上がることはありません。
人の体は、食べたモノにもよりますが消化しきるのに10時間はかかる仕組みになっているそうです。1日は24時間しかないので、朝昼晩としっかり1日3食たべていたら内臓は休む暇がありません。内臓はあなたが寝ている間も食べ物を消化するために働き続けています。しかも365日。これではまるでそこらへんのブラック企業も真っ青な超絶ブラック労働です。
実際私はしばらく1日2食生活ですが、これと言って問題ありません。ちなみに仕事は基本的にデスクワークですが、毎日5分間の筋トレをやって、職場の最寄りの駅から片道6キロくらい自転車をこいでます。
まとめ
低GI食品を食べることで血液中の血糖値が急上昇することを防ぎ、インスリンの大量分泌による血糖値の急降下を発生させない効果があります。
短期的には、食事の後に眠くなってしまう、いわゆる「インスリンショック」を防ぐことができます。長期的には肥満になることを防ぎ、糖尿病になる可能性を低く抑えることができます。
食べ物のことを考える時に、ふつうは「食べ物の名前」で把握することが一般的です。たとえばドーナツだったら、「ドーナツという名前の食べ物」ですね。
しかし、食べ物の名前ではなくGI値で把握すると違った見方ができて面白いです。例えばドーナツなら、「ドーナツという名前の食べ物」として見るのではなく「GI値86の食べ物」といった具合です。
ちなみに「GI値86」というのはかなり高い値です。ドーナツを食べるのならば、血糖値の乱高下は避けられません。それなりの覚悟をしておく必要があります。
何か食べ物を買う時、食べる時は、是非ともGI値を気にしてみてください。あなたが食べるものであなたはできています。
参考にした書籍
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