【本要約】スマホ脳【スマホ中毒による脳への恐ろしい影響/対策あり】

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最近、スマホ中毒ってよく聞くなぁ。歩きスマホが原因で起きてる事故もあるみたいだし。小さい子供にスマホを持たせると良くないって話もどっかで聞いたことがある気がする。デジタルデトックスって言葉もあるみたいだし、もしかしてスマホの使い過ぎって目が悪くなるだけじゃなくて実はかなりヤバい・・・?
悩んでいる人

その通りです!よくぞ「スマホの使い過ぎはかなりヤバい」ことに気づきましたね。

今回解説する本はベストセラー『スマホ脳』です。

『スマホ脳』の結論を書いてしまうと

『スマホは私たちの最新のドラッグである。幸せになりたければスマホ(特にSNS)の使用を制限しよう。』

です。

スマホがドラッグ?かなり過激なことを言うなぁというかもしれませんが、スマホ脳に書いてあることを知ってしまうと、あながち言い過ぎではないと思えてきます。

本を開いてすぐ目に入る背表紙には、『スマホ脳』が伝えたいことが凝縮されています。

平均で1日4時間、若い人の20%は7時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブスを筆頭にITのトップは我が子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか?睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存。最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。

『スマホ脳』背表紙より引用

この記事のざっくり概要です

〇『スマホ脳』の作者について
〇SNSを使うほど不幸になるカラクリ
〇ヒトの進化とスマホの深い関係
〇スマホが与える悪影響
〇デジタル時代のアドバイス
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『スマホ脳』の作者について

著者は2000本以上の論文を発表しているスウェーデンの現役の精神科医です。

医者として患者に接してきた経験に加えて、過去に実施された実験やすでに発表され評価を得ている論文を引用して「スマホの使い過ぎはヤバい」理由を冷静に分析しています。

医者、実験、論文とくると「なんだかオカタイ本なんじゃないの?」というような印象を受けるかもしれませんが、『スマホ脳』はとても読みやすいです。

精神科医として活躍する著者は『スマホ脳』の前にも『一流の頭脳』という本を執筆してブレイクしています。その後に有名なテレビのトークショー番組やニュース番組にも次々と登場し、人気のあるラジオに出演すれば300万回以上再生されるような、一言でいえば「影響力のあるインフルエンサー」でもあります。

要は、どうやって「伝えたら相手の心に届くのか」ということに長けた、コミュニケーションのスペシャリストでもあるということです。そんな人が書く本が読みにくわけがありません。

『スマホ脳』を読んでいる時は、まるで上質なミステリーを読んでいるような気分でした。心地よいスリルと読み易い文体が相乗効果を生んで読めば読むほど先が気になり、気が付けば読み終わってしまってました。

SNSを使うほど不幸になるカラクリ

スマホでビジネス展開する敵の最大の目的は利用者の時間を奪うことです。

スマホで利用できる色んなアプリはある程度の機能なら無料で利用できるものがほとんどです。

「無料でラッキー」と言って使ってるうちに依存してしまいとんでもない時間をスマホに費やしてしまうことになります。欲求の赴くままにスマホを使い続けていると、お金よりももっと大事な「時間」と「健康」を失うことになってしまうかもしれません。

スマホに触れる回数を調査した実験では、私たちは1日に2600回以上スマホを触っているという結果がでたとのことです。平均して10分に一度はスマホを手に取っている計算になります。どこにいても、街中やカフェ、レストラン、バスや電車の中、ジム、見回すと誰もが自分のスマホをじっと見ています。

スマホの使用時間(特にSNS)が長い人ほど睡眠障害やうつ、ストレスを感じる率が高いことが研究で明らかになっています。テクノロジーと人類の進化のミスマッチが引き起こすデジタル依存が心身の不調に悩む人を年々増加させています。

なぜでしょうか?それはスマホのアプリ、特にSNSが他人と自分を比較させる構造になっているからです。SNSの使用によって自信を喪失してしまうことが心身の不調の原因です。

SNSでは自分よりも圧倒的に良い暮らしをしている人の情報が簡単に手に入ります。どんなに頑張っても、SNSをのぞくと自分よりももっと成功している人がいくらでもいます。

仕事の昼休みに1回もあったことのない人の「平日に南の島にバカンスにきてまーす」なんていうキレイに加工された写真付きの投稿を見ることで「いいなぁ」と思う反面「それに比べて自分は・・・」と必ずセットで比較してしまうものなのです。

要はSNSを使えば使うほど「自分のことを嫌いになってしまう」ように仕向けられているのです。

そして問題なのは、SNSのような「ユーザーの時間を奪って広告収入を得る」ことで利益を上げているサービスは「利用者がサービスに依存するようデザインされている」という点です。

①スマホの使用時間が長いと心身に不調が起きる。

②スマホのサービスは長時間利用してしまうようにデザインされている。

この2つの点と点をつなぐのが「人類の進化」です。人類がどのような戦略で生き延びてきたのかを紐解くことで、現代人がスマホに依存してしまう理由が分かります。

そして、そこまで掘り下げて考えることで、スマホに依存しないスマホとの付き合い方を科学的に検討することができるようになります。

ヒトの進化とスマホの深い関係

「ヒトの脳はサバンナで狩りをしていた頃からほとんど変わっていない」

そんなことを言われたらどう感じるでしょうか。

「いやいや、人間はどんどん進化してるよ、テクノロジーだって年々進歩しているし、近い将来地球じゃない星に住めるようになるかもしれない。どう考えたって原始時代と比べたら進化してるでしょ」

と言いたい気持ちはわかります。しかし『スマホ脳』では思想や価値観の進歩ではなく、人類の進化を「脳を含む生体システム」という範囲に限定した場合、人間はサバンナで狩猟採集していた原子時代の頃からほとんど変わっていないと主張しています。

サルから猿人類が分派したのは600万年前くらいだそうです。そこからかなり長い時間、人類は狩猟採集をして生きてきました。最後の氷河期が終わって農耕が始まったのがだいたい1万2000年前くらい前だと言われています。

仮に人類の歴史が600万年だとすると、人類は600万年前から現代までの99.8%は狩猟採集民として生きてきたことになります。農耕技術が発達して、メソポタミアだのエジプトだのインダスだの長江・黄河だのといった文明が栄えだしたのが7000年前です。

そういった気が遠くなるような長い期間で人類の進化を考えた場合、ヒトがスマホを使いだしたのがどれだけごく最近かということを実感できるかと思います。

問題は「脳のデザイン」です。『スマホ脳』では「脳はサバンナで狩りをしていた頃とほとんど変わっていない」と主張しています。つまりこれは、「常に周囲に気を配り、仲間からどう思われているのかを気にする」ように設計されているということです。

ヒトは気が散るようにデザインされている

「常に周囲に気を配る」ことに関しては、そうしたほうがサバンナの生活では生存確率が高いからです。ヒトの脳は即座に「戦うか、逃げるか」を判断できるようなっています。しげみからガサガサっと音がしたら、無意識に注意を向けてしまいます。

もしも狩りの標的となる動物だったら「戦う」ことで今日の食料を手に入れることができるかもしれません、逆に相手が逃げなければいけない対象、例えばライオンとかだとしたら、すぐに「逃げる」ことを判断しないと襲われて死ぬ確率が上がってしまいます。

このように、ヒトは本来、気が散るようにデザインされています。そしてスマホのアプリは、この特性を最大限刺激するように設計されています。

色鮮やかなデザイン、縦にスクロールすることで無限に更新されていくタイムライン、いいねやコメントの通知。SNSのアプリを使っている時は、特定の目的がなく何となく眺めてしまうことが多いかと思います。

それはあなたが何となく眺めたい気分だから眺めているのではなく、「無限に気が散り続けるように巧妙に設計されたアプリから抜け出せなくなっている」状態です。

ヒトは周囲からの評価を気にするようにデザインされている

ヒトは周囲からの評価を気にするようにデザインされている」という主張に対しては、「気が散るようにデザインされている」という主張と比べて直感的に納得しやすい内容かと思います。

私たちは周囲からどう思われているのかを気にすることを止められません。「だってそういうものでしょ」と言いたくなる気持ちを押させて、なんで他人からの評価が気になって仕方がないのかまで掘り下げて考えてみましょう。

ここでもまたヒトがサバンナで狩りをしていた頃に話が戻るのですが、単純に「他人からどう思われているか気にしたほうが生存確率が高くなる」からです。

狩りはチームプレーです。仲間と信頼関係が築けていなかったり、一人だけ仲間はずれにされたら狩りの成功確率が下がります。狩りで獲物を得られないということは直接そのまま死を意味します。

女性は特に「周囲からどう思われているのか」を気にする生き物かも知れません。それは、基本的に狩りが男の仕事で、女はコミュニティーの子供を守りながら男の帰りを待っていなければならなかったという役割の違いが原因でしょう。

噂話をして、コミュニケーションを取り、互いの情報を得るという社交への強い欲求は現代ではスマホやパソコンの中に移動しています。

「ヒトは周囲からの評価を気にするようにデザインされている」という私たちの基本的な能力とSNSは最悪の相性です。自分はどう思われているのか?ということが「いいね」や「コメント」や「フォロワー数」の数で可視化されます。

しかも24時間いつでも接続可能なために、特定の時間が来たら終わりという概念がありません。

いいね、コメント、フォロワーといった可視化された情報が少なければ不安になり不満も募りますが、逆にそれらの情報が多くても、もっと多い人がいることが気になってしまい永遠に満足することができません。

スマホは脳をダイレクトにハッキングしてくる

スマホがなぜこれだけ多くの人を惹きつけるのかの鍵となるのが、脳内伝達物質のうちのひとつ「ドーパミン」です。「ドーパミン」は数十万年前、人類がサバンナで狩りをしていた頃、過酷な環境で生き延びるために大いに活躍していました。

ドーパミンは快楽物質とも呼ばれ、ドーパミンと聞くと「あの気持ちよくなるやつでしょ」というイメージを持っている人も多いかもしれません。しかしドーパミンの最も重要な役割は私たちをキモチ良くすることではなく、何に集中するかを選択させることです。つまりドーパミンは人間の原動力とも言えます。

このように、ドーパミンは生き延びて遺伝子を残せるように人類を突き動かすことに大いに貢献してきました。

お腹が空いている時にテーブルに食べ物が運ばれてきたら、それを見ているだけでドーパミンの量が増えます。ポイントはその食べ物を口に入れて味を感じ飲み込んで満腹感を得た時じゃなくて「見た」瞬間だという点です。

ドーパミンは、実は対象を手に入れた時よりも、「手に入れることができるかもしれないと期待する時」に大量放出されます。

クレーンゲームで景品をゲットしたことはあるでしょうか?クレーンゲームは景品がクレーンで釣り上げられて、出口まで運ばれていくあのハラハラドキドキする瞬間が一番の醍醐味ではないでしょうか。

あれは「もしかしたらこの景品が自分のものになるかもしれない!」という期待によってドーパミンが大量に放出されている状態です。

問題は、スマホの使用もドーパミンの量を増やすということです。

恐ろしいことに、スマホは報酬システムの基礎的なメカニズムの数々をダイレクトにハッキングするようデザインされています。

チャットやメールの通知が届けば確認せずにはいられない、LINEの既読がつかないと何回も確認してしまうし、TwitterやインスタグラムやTikTokで投稿した内容に反応がないか常に気になってしまいます。身に覚えはありませんか?

あれは、「もしかしたら重要な通知かもしれない」「さっき投稿した動画がバズってるかもしれない」という「期待」をあおることでドーパミンを放出させられている状態です。

進化の観点から見れば、人間が新しい情報を常に求めるのは不思議なことではありません。

狩猟採集時代では、周囲をより深く知ることがそのまま生存の可能性が高まることに直結していたからです。天候の変化がライオンの行動にどう影響するのか?狩りたい表的の動物がいちばん注意散漫になる状況は?それらがわかれば狩りに成功する確率が上がるし、猛獣の餌食になるのも避けられます。

ただし現代社会ではチャットやメールをしばらく読まなくても、LINEの既読がついてなくても、TwitterやインスタグラムやTikTokで投稿した内容に反応がなくても死ぬことはありません。

問題は、脳が狩猟採集時代の生存のための情報収集と、現代のスマホにあふれる情報の洪水を区別できていないという点です。

IT起業トップは子供にスマホを与えない

ここまで読んでいただけたのであれば「脳はスマホから得られる情報を気にすることを止められずいとも簡単に依存してしまう」ことがご理解いただけたかと思います。

では、作り手側はどう考えているのでしょうか?

「スマホの使い過ぎで睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存症状が悪化することが分かり切っているのなら、サービスのカタチを変えてくれればいいじゃないか!」と主張したくなる気持ちは分かります。

しかし、どうやらサービスを提供する側に改善を期待しても意味がなさそうです。

ジャスティン・ローゼンスタインという極めてテクノロジーに精通したある30代のアメリカ人は、自分のフェイスブックの利用時間を制限することに決めてチャットアプリはスッパリとやめた。依存症ではヘロインに匹敵するからというのが理由だ。スマホの使用にブレーキをかけるために、本来は保護者が子供のスマホ使用を制限するためのアプリまでインストールした。興味深いのは、彼こそがフェイスブックの「いいね」機能を開発した人物という点だ。彼はあるインタビューで「製品を開発するときに最善を尽くすのは当然のこと。それが思ってもみないような悪影響を与える・・・それに気づいたのは後になってからだ」

『スマホ脳』「シリコンバレーは罪悪感でいっぱい」の章から引用

このほかにも、アップル社の創業者スティーブ・ジョブスは家ではiPadはそばに置くことすらせず、自分の子供に使用させる際には細心の注意を払ったというエピソードが紹介されています。

さらには、あのビル・ゲイツは子供が14歳になるまでスマホは持たせなかったとのことです。

これらの歴史的事実は、研究結果や新聞のコラムよりも多くを語っています。

スマホが与える悪影響

ここから先はスマホ依存の弊害についての解説です。

集中力を奪われる

スマホをつかうことで現代社会の貴重品である「集中力」を奪われてしまいます。

1日のGoogle検索やチャットの総数はとてつもなく多く日に日に多く、さらに早くなる。けれどもその情報を処理する脳は1万年前から変わっていません。

サイレンとモードでもポケットにしまってもダメのようです。ある実験では、自分のじゃないスマホが机の上にあるだけでテストの点数が低くなってしまうという結果が出ています。

なんとスマホは、自分のじゃなくても、目に見えなくても気を散らせてくるというのです。スマホがそこにあるというだけで集中力を奪ってきます。

信頼関係が崩れる

誰かと直接会って話している時に当たり前のようにスマホを取り出していじっている人いますよね。あれってどう思いますか?私は苦手です。

「そんなの気にならないよ」って人もいるかもしれませんが、この件に関しても実験で悪い効果があるということが実証済みです。

知らない人と10分間自由に話してもらうという実験で一部の人はテーブルにスマホを置き、それ以外の人は置かなかったという違いを設けました。その後、被験者たちに会話がどのくらい楽しかったかを尋ねてみると、視界にスマホがあった人たちはあまり楽しくなかった上に、相手を信用しづらく共感しにくいとも感じていたことが分かりました。

スマホはテーブルの上にあっただけで、手に取ることは許されていなかったのにもかかわらずです。

スマホに眠りを妨げられる

スマホがそばにあるだけで集中力が妨げられてしまうのと同じく、スマホが寝室にあるだけで睡眠が妨げられてしまうということも研究で明らかになっています。

原因はスマホから供給される情報そのものと、画面から発せられるブルーライトです。

スマホから得られる情報はドーパミンを放出させることは説明済みですが、ドーパミンが放出されればされるほど「もっと手に入れよう」という衝動が起きます。眠るという行為とは正反対に位置する活動なので、眠る直前までスマホを操作することで、眠つけない、寝ても睡眠の質が悪い、という不調を来してしまうのはごく自然のことです。

もうひとつはスマホの画面から発せられるブルーライトです。人間の目にはブルーライトにだけ強く反応する細胞があります。ブルーライトが目に入ることで、眠りにつく時間を身体におしえてくれる「メラトニン」というホルモンを妨げる効果があります。

なぜなら狩猟採集時代の私たちの祖先にとって、ブルーライトは晴れ渡った空から降ってくるものだったからです。ブルーライトは私たちに「起きる時間だ!メラトニンを作るのを止めろ!油断せず周囲の警戒を怠るな!」と働きかけてきます。寝る直前にスマホをみてブルーライトを浴びたら眠れなくなって当然です。

ちなみに「記憶」は寝ている時に定着します。同じ学習をしたグループを、睡眠をとった後にテストするグループと睡眠をとらずにそのまま起きていてテストを受けるグループに分けてテスト結果を検証するという研究がおこなわれています。結果、学習とテストの間に睡眠を挟んだグループのほうが、テストのスコアが良くなるという結果になりました。

睡眠の質が悪くなると、記憶の定着プロセスもうまく働きません。スマホが寝室にあるだけで、よく眠れなくなり、肉体の疲れが取れないだけでなく、記憶の定着も悪くなってしまいます。

こういった理由から『スマホ脳』では電子書籍よりも紙の本のほうが良いと主張しています。

スマホは大人よりも子供に悪影響を与える

子供は大人に比べて脳の「理屈」や「論理」をつかさどる機能が未発達であるがゆえに、スマホのようなデジタルなテクノロジーを大人よりも強く魅力的に感じてしまいます。

生まれてから脳は「うしろから成長」していきます。

脳は後ろのほうが脊椎と近く「運動」や「感情」といった生存するために本能的に必要な能力との強い結びつきがあります。前に行ってひたいに近づけば近づくほど、脊椎とは離れていき「理屈」や「論理」といったような、いわゆる大人になるための能力をつかさどる機能が増えてきます。

発育途中の子供の脳は、まず後ろから成長します。それもそもはずで、「理屈」や「論理」が完璧でも手を動かして食べ物を口に運ぶことができなかったり、危険を本能で察知できずに瞬時に逃げる判断ができないと、生存していける確率がグンと下がってしまいます。

まずは生存するための機能を確立させてから、ゆっくりと「理屈」や「論理」の部分を構築していくというプロセスはとても理にかなっています。

ただ、問題なのは「もっとスマホを使いたい」という衝動は脳の後ろの部分の機能をダイレクトにハッキングされていることが原因という点です。

大人であれば、脳が成長して切っているので「理屈」や「論理」で常識の範囲を超えてスマホを使ってはいけないということを理解できます。(アタマではわかっていてもやめられない人が多いのがスマホの怖いところですが・・・。)

結果は見てのとおりです。レストランではスマホばかり眺めている子供。親にスマホを取り上げられて泣き叫ぶ子供。互いに向かい合っているのにそれぞれ自分のスマホから目を離さずに会話を進める学生たち(通勤電車の中で本当に良く見かけます)

ちなみに、男の子よりも女の子のほうがスマホに依存してしまう傾向が強いようです。これは、男の子は比較的にアクションゲームやパズルのような「ゲーム」にスマホを使う時間が長いのに対して、女の子は自分が属するグループのLINEや「みんな」が観ている動画などをチェックするために「SNS」を利用する時間が長いことが要因だと考えられています。

私には4歳の娘がいますが、スマホを持たせるのはできる限り後回しにしたいと考えています。とはいえ、クラスのLINEグループに入らないと仲間はずれの対象になってしまったりもするようなので、ホントに歪んだ社会だなと感じています。正直中学校卒業するくらいまではネットにつながるスマホの利用を法律で禁止してもらいたいくらいです。

デジタル時代のアドバイス

『スマホ脳』が名著である理由は問題点を並べるだけでなく、現代社会の生活とは切っても切り離せないスマホと、どうのようにうまく付き合っていくのかということをアドバイスしてくれている点にあります。

著者のアンディシュ・ハンセンさんも、発展したテクノロジーを基準として成り立っている現代ではスマホを完全に断って狩猟採集していた頃の生活に戻れというのは無理な話だし、自分にとってもスマホは仕事をするうえでなくてはならないツールだと言っています。

車だって、たくさんの人や荷物を一度に運べるとても便利な「技術」ですが、適切に取り扱わないと交通事故を起こして最悪のケースでは誰かの命を奪ってしまう危険性があります。だからといって「車は危ないから社会から完全に取り除こう」というわけにはいきません。

スマホとの上手な付き合い方は『スマホ脳』の最終章にまとめられています。その中から、特に重要だと思った項目を紹介します。

スマホの利用時間を知る

まずは自分が1日に何回スマホを手に取ってどのくらい時間を通夜しているのかを知ることから始めましょう。そして、どのアプリをどのくらい使っているかという点もチェックしたいです。

仕事がら電話を多く使う人は必然的にスマホの利用時間の中で電話を使う時間の割合が増えます。もんだいは、ゲームやSNSのようなアプリに大量の時間を費やしてしまっているようなケースです。

スマホじゃなくてもいい機能はスマホを使わない

『スマホ脳』ではまず腕時計と目覚まし時計を買うことをオススメしています。

スマホで目覚ましをセットしていると、朝目覚ましを止めるためにスマホをさわって、そのままSNSのチェックをしてしまい気づいたら結構時間が経っていたなんてことはないでしょうか?日中、時間が知りたいからと言ってスマホで確認するときも同様に、見るつもりのなかったアプリを開いてしまうことがあるかと思います。

スマホの魅力は強力です。自分の意思では特にSNSやニュースや動画やゲームの画面を開くつもりではなくても、スマホを手に取った瞬間に今までの「クセ」である「無意識」がそれらのアプリを起動させようと促してきます。

毎日1~2時間はスマホをオフにしよう

「毎日、起きているどこかのタイミングでスマホの電源を1~2時間オフにしてください。」

このように言われて「え、そんなの絶対に無理」と思った場合はスマホ依存の可能性が非常に高いです。意識してスマホをオフにしないと、24時間いつでもどこでも「繋がれてしまう」環境に身を置くことになります。誰かと連絡を取り合っていたとしても、1~2時間程度返信がおくれても特に問題のない内容がほとんどのはずです。

集中したいときはスマホを隔離しよう

集中したいときはスマホを手元に置かないことをオススメします。理想としてはスマホの電源を切って、さらに自分が作業している部屋とは違う部屋にスマホを別置することが好ましいです。

スマホは「そこにある」というだけで持ち主の集中力を奪います。いや、例えばそのスマホが自分のスマホではなくても目に入った人の集中力を奪う力があります。

仕事やプライベートの関係でチャットやメールを確認したいときは、常に確認できる状態にしておくのではなく、例えば9時と12時と15時と17時に確認する。といったようなルールを決めたほうが良いです。

人と話している時はスマホを取り出さない

誰かと直接会ってコミュニケーションを取っている時はスマホを見える位置に取り出さないようにしましょう。スマホをいじるなんてもってのほかです。

会話をしている時にスマホを「目に見える場所に取り出す」だけで相手がつまらないと思う確率がグンと上がります。

スマホをいじりたいくらいその場がつまらないのであれば、さっさと会話を切り上げて解散し、自分だけでスマホを使うことをオススメします。

子供の良い手本になろう

大人でも子供でも仕事や勉強以外でスマホやPCなどのデジタルデバイスに費やしてよい時間は最長で2時間です。それでも睡眠、食事、職場や学校への移動時間を除けば起きている時間の6分の1を費やしていることになります。

運動したり、誰かと会話を楽しんだり、読書したり、デジタルデバイス以外でも楽しめる方法は幾らでもあるはずです。

子供にスマホを使う時間を制限させたいのに、大人が無制限に使っていては全く説得力がありません。まずは大人がスマホとの正しい付き合い方を態度で示して、はじめて子供に同じようにしなさいと忠告することができます。

寝る時はスマホを寝室に持ち込まない

寝室にはスマホを持ち込まないようにしましょう

スマホやPCのスクリーンから放出されるブルーライトは人体を眠りに向かわせる「メラトニン」というホルモンの分泌を阻止する働きがあります。さらに、スマホは「そこにある」というだけでドーパミンを放出させるトリガーになります。寝る時はスマホを同じ空間に持ち込まないようにしましょう。

寝る直前にメールをチェックしたりSNSを開いたりするのは禁止です。スマホのアプリは利用者のドーパミンを少しでも多く放出させるよう巧妙にデザインされていることを思い出してください。「いまからぐっすり眠るぞー」と言いながらラスベガスのカジノ場に入っていく人はいないでしょう。

SNSは交流の道具

SNSは実際に知っているひとと交流するためのツールとして使うのが好ましいです。あらゆる面で自分よりも優れている人をSNSで探そうと思えばいくらでも簡単に見つけることができます。

目的意識もなくそういったインフルエンサーたちの情報を見続けることで、自分に対する自身の喪失につながり、長時間のスマホ利用と相互的な効果を生み出し「うつ病」になってしまう確率が上がります。

可能であればスマホからはSNSのアプリを消去して、家にあるパソコンだけでSNSを使うスタイルにできればなおよいです。

運動しよう

運動の種類は問いません。どんな運動でも心も体も健康になります。

脳から見れば、ただ散歩するだけでも驚くほどの効果があります。『スマホ脳』によれば、散歩程度の運動から心拍数があがる強度の高い運動まで、すべての運動が肉体にも精神にも良い効果を与えるのだと解説しています。

運動している最中は余計なことを考えなくなります。これは集中力が向上しているということです。細かい理屈は別として、わたしたち人間の体は運動すると集中力が上がるようにデザインされています。

これは、はるか昔、狩猟採集時代に集中すること=体を動かすことだったからだと思われます。標的を捕まえるために戦う時も、猛獣から逃げる時も、常に対象は「実体」なので自らも運動というアクションを起こして状況を変化させる必要がありました。

わたしは、集中力が必要だなと思ったときや、集中力が切れてきたなと感じた時には、ストレッチしたりスクワットしたりするようにしています。効果は抜群です。

まとめ

ベストセラー『スマホ脳』は単純にスマホを長時間使うと目に悪いとか健康に良くないとかいう表面的な部分だけではなく、人間の進化に沿ってスマホの危険性を教えてくれる現代の必読書です。

この記事では『スマホ脳』の内容を半分も説明できていません。『スマホ脳』ではスマホが与える影響を調べるための様々な実験や調査の実例が紹介されていています。すべての主張が実験や調査の結果に基づく客観性の高い「事実」なので、その説得力やすさまじいものがあります。

『スマホ脳』はスマホを捨てろと言っているのではありません。スマホを知り、スマホをコントロールしようという提案です。スマホに支配されるか、スマホを支配するのかを決めるのは自分自身です。

ここまでテクノロジーが発展した社会では、もはやスマホを手放しては一般的な生活は送れません。だからこそスマホを知り、スマホとの付き合い方を考えるべきだと思います。

どんな食べ物だって食べ過ぎれば毒になります。板チョコだって一度に50枚食べれば致死量だそうです。胃袋には容量の限界があるけどデジタル情報への欲求は限界がなく歯止めが効きません。

良い本かどうかは読んだ後に行動が変わるかどうかです。本を読むことで新しい価値観を知り、これまでの価値観が変わることで行動が変わる。そう言った点で『スマホ脳』は完全に良い本だと断言できます。

身の回りのご家族や友人に

「ちょっとスマホ使ってる時間が長すぎるんじゃない・・・」とか

「話しかけてもスマホから目を離してくれない・・・」とか

そのほかにも、もしかしてスマホが原因では・・・と思うような節があるのであれば、そっと『スマホ脳』をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

自分で読むもよし、人に勧めるもよし。『スマホ脳』はホントウにオススメの一冊です。

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